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信頼できるデータ取引エコシステムを構築するGXchain

投稿日:2018年7月26日 更新日:

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GXChain(GXS)は、中国の杭州存信数据科技有限公司が中心となって展開している仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトです。

GXChainは、中国語で”公信链”と呼ばれており、中国で現在注目されているデータ取引マーケットを開拓するためのブロックチェーンであるとされています。

彼らのホワイトペーパーによれば、ブロックチェーン技術を使用することによって、社会に存在する様々なデータ資源に信頼性と大きな商業価値を与えることが可能となるとしています。

また、彼らは、現在までに、デジタル身分証明書となるG-IDや、P2Pデータ取引プラットフォームとなる公信宝数据交易所、ユーザー自身のデータ価値を高めるDappとなるBlockCity(布洛克城)等、様々なGXChainブロックチェーンに連なるエコシステムを開発・構築しています。

目次
■プロジェクトの背景
■アルゴリズム、時価総額等
■創業者やプロジェクトチームについて
■今後の展開

プロジェクトの背景

これまで、ビッグデータとは、一般的なソフトウェアで扱うことが困難なほど巨大で複雑なデータを表す言葉とされていました。

近年のAI(人工知能)技術等の発展により、そのようなビックデータが持つ価値への注目は高まっており、世界的にも、そのデータの扱いを巡る様々な議論が存在しています。

特に中国では、膨大な人口を背景とした豊富なデータが存在するため、中国が国を挙げて取り組むAI技術の発展を支える資源として、これまでも中国国内のビックデータは大いに活用されていました。

世界の有効活用できるデータは、今後も、IoT等の発展に伴い、増えることはあっても減ることはない資源とされており、その合理的な利用は、人々の生活をより豊かにするとされています。

しかし、GXChainのホワイトペーパーは、現在の世の中に存在する様々なデータは、未だ、その多くが機関や組織間で統合されておらず、有効活用されていない状況だと指摘しています。

彼らは、それら未だ寸断されているデータを取引可能とすることで、データに資源としての商業価値を与えられるとしています。

また、彼らは、将来的に、規模の大きくないデータも、それが流動性を持つことによって、システムがその流れを追えるようになり、様々な産業の発展に寄与するとしており、ブロックチェーン技術という信頼できるネットワークを使用することによって、それが可能となるとしています。

彼らが展開しているしている、デジタル身分証明書G-IDや、P2Pデータ取引プラットフォーム公信宝数据交易所、DappのBlockCity(布洛克城)等は、全てGXChainブロックチェーンに基づき開発されており、そのエコシステムによって、GXChainは、より豊かな社会を実現しようとしています。

アルゴリズム、時価総額等

GXChainで使用されているGXSトークンの時価総額は、2017年7月現在220億円ほどとされています。

彼らのブロックチェーンでは、DPoSとPoCS(Proof of Credit Share)というコンセンサスアルゴリズムが採用されています。

彼らは、DPoSによって、トークン保持者が投票を行い、101のスーパーノードを選出し取引を認証するとしています。

また、彼らは、独自に開発したPoCSというメカニズムによって、参加者の貢献度を計算し、データ取引における手数料を調整するとしています。

彼らのホワイトペーパーによれば、ブロックチェーン上に記録された過去のデータ売買回数等により、一定のPoCS閾値を超えたアカウントの取引は、データ取引の手数料が調整されるとしています。

彼らのブロックチェーンは、3秒ごとにブロックを一つ生成し、最高10万TPSを実現するとしており、膨大なデータ取引を可能とするスケーラブルな設計を目指していることが見受けられます。

創業者やプロジェクトチームについて

GXChainの創始者は、杭州存信数据科技有限公司の法定代表でもある黄敏强という人物であるとされています。

彼は、これまで、大学でコンピューターサイエンスを学んだ後、Insigma Technology(浙大网新)という中国の上場企業に勤め、MBAも取得しています。

彼は、Insigma Technologyという会社で過ごした6年間の間に、一般エンジニアから、シニアエンジニアを経て、プロジェクト部門やプロダクト研究開発部門等のマネージャーを経験し、最終的には、技術部門の副本部長(技术副总:Vice Technical General Manager)を務めています。

Insigma Technologyは、スマートシティやスマートライフ、クラウドサービス等を提案する、浙江大学をバックグラウンドに持つ企業であり、おそらく、現在の彼がデータ取引マーケットに注力する背景も、この企業での経験が大きく影響しているものと思われます。

黄敏强は、2013年頃からビットコイン等のP2P技術に傾向していったとされており、2014年には、Insigma Technologyを退職し、P2P金融サービスを行うプロジェクト等に参加しています。

そして、2016年、彼は、杭州存信数据科技有限公司を立ち上げ、非中央集権化されたデータ取引マーケットを開拓するため、GXChainプロジェクトを始動させています。

ちなみに、GXChainは、2017年3月にICOを行っており、2017年が、このプロジェクトの始動時期とする見方も存在しています。

今後の展開

資源として価値を持つデータは、現在でも、マーケティングや与信、都市設計から国家計画等に至るまで、様々な分野で活用されています。

GXChainは、中国と諸外国のデータ資源を巡る環境を比較し、中国には未だデータの採集や分類等を行うための役割分担が明確になっていないと指摘しています。

彼らは、データを有効活用するためには、”採集”、”分類”、”計算”、”モデル化”、”流通”、”使用”といった6箇所のポイントを経るサプライチェーンのようなものを定義しています。

曰く、現状の中国は、国家機構や大手企業がデータの”採集”を行っても、”採集”された大部分のデータが”流通”を制限されていることによって、単一の”使用”シーンでしか資源として活用されておらず、データマーケットの発展を著しく阻害しているとしています。

彼らは、データの権利の不透明性やデータ”採集”のコスト、データ”使用”シーンの欠如、データ”採集”に対する一般ユーザーから信頼獲得等を挙げ、それらの課題を克服する必要があると説いています。

そして、彼らは、GXChainというブロックチェーン技術を使用することによって、これらの課題を克服し、データマーケットを開拓するとしています。

しかし、中国では、既にAI技術等の発展に伴い、データ資源の価値が非常に注目されていることも事実であり、ここ数年は、データマーケットに取り組む同様のプロジェクトが、ブロックチェーン技術を使用していないものも含め、多く誕生しています。

GXChainは、ブロックチェーン技術という未だ発展途上だとされるテクノロジーを使用して、今後、どのような競争力を手に入れられるのか、注目される部分だと思います。

彼らは、現在までに、ユニオンペイやチャイナユニコムといった中国の政府資本をバックグラウンドとした大手企業とデータ取引について提携を結んでおり、そのような大手企業との繋がりは、今後の彼らの発展を予想する上で、重要な要素となるかもしれません。

当然、ユーザー視点から述べれば、ブロックチェーンという非中央集権化された技術によって、本当に信頼できるデータ取引のネットワークが構築されることは、社会の健全な発展にとって必要不可欠なものだと思います 彼らの挑戦が、豊かな社会の実現に繋がることを期待したいと思います。

参照 
・http://www.qukuaiwang.com.cn/ico/142.html
・https://www.chainwhy.com/people/huangminqiang.html
・https://baike.baidu.com/item/%E6%B5%99%E5%A4%A7%E7%BD%91%E6%96%B0
・https://baike.baidu.com/item/%E5%85%AC%E4%BF%A1%E5%AE%9D/22415354?fr=aladdin
・http://www.lianchaguan.com/archives/1516
・https://www.qichacha.com/firm_c89fb0ab9e8da50f6e59fa47fe03f224.html
・https://github.com/gxchain/whitepaper/blob/master/zh/whitepaper.md
・https://github.com/gxchain/whitepaper/blob/master/zh/gxbDapp-whitepaper.md
・https://www.chainnews.com/articles/928361357908.htm
・https://gxs.gxb.io/

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