Aurora(AOA)は、中国語で”极光链”と呼ばれている仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトです。
彼らのプロジェクトは、人工知能(AI)やビッグデータ、IoT、ゲーム等の様々な業界とブロックチェーン技術を繋ぐことを使命として掲げています。
そのために彼らは、これまでにも、Auroraブロックチェーンに連なるDappsを上記のような業界と提携しながら開発しており、既存のブロックチェーンの課題とされるスケーラビリティ問題を解決しながら、ブロックチェーン技術を使用した実際的なプロダクトの開発を進めています。
目次
■プロジェクトの背景
■アルゴリズム、時価総額等
■創業者やプロジェクトチームについて
■今後の展開
プロジェクトの背景
ビットコインの誕生以降、ブロックチェーン技術の応用可能性は、様々な場所で議論されてきたことと思います。
これまでも、イーサリアム等が実現してきたスマートコントラクトやDappsといったブロックチェーン技術の応用は、その発展の先に、既存の技術ではなし得なかった問題解決を確かに示してきたものと考えられます。
ブロックチェーンとは、暗号化された情報を非中央集権的に扱うというこれまでになかった技術だと思います。
しかし、Auroraプロジェクトの創始者である赵美军は、既存のブロックチェーンにはスケーラビリティの問題が存在しており、ブロックチェーン技術をこれからも発展させるためには、その解決が必要不可欠であると示しています。
2017年は、ビットコインの価格上昇によって仮想通貨やブロックチェーンへの注目が集まるとともに、イーサリアムというプロジェクトが行おうとしている革新性もまた大きく注目された年だと考えられます。
当時、クリプトキティ(CryptoKitties)というDappsゲームが流行したこともまた、非中央集権的な環境で動作する自律分散型アプリケーションの可能性を人々の脳裏に焼き付けたことと思います。
しかし、同時に、その熱狂の余波としてイーサリアムのネットワーク全体に起こったトランザクションの遅延は、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題という課題をも、我々に提示したのではないでしょうか。
Auroraプロジェクトでは、様々な業界でブロックチェーン技術を実際的に使用するために、スケーラビリティ問題を解決できるようAuroraブロックチェーンを設計しており、彼らの取り組みによってブロックチェーンの発展とその応用が加速されることが期待されています。
アルゴリズム、時価総額等
Auroraブロックチェーンで使用されているAOAトークンの時価総額は、現在53億円ほどとされています。
彼らのブロックチェーンでは、DPOS+BFTコンセンサスアルゴリズムが採用されています。 彼らは、DPOSアルゴリズムを使用することによって、Auroraブロックチェーンの高いスケーラビリティを実現しているとしています。
まず、そのコンセンサスアルゴリズムでは、AOAトークンの保有量と投票によって、101のノードを選出するそうです。
そして、彼らはその後、BFTアルゴリズムによって不必要な認証を減らし、さらにスケーラビリティを高めるとしています。
彼らがP2P立体ネットワークと呼ぶレイヤーネットワークの設計は、BFTアルゴリズムを迅速に実行することが可能となると同時にセキュリティを損なうこともないとされており、そこでは安全で迅速な認証が行われるものと考えられます。
また、彼らのブロックチェーンに備わるスケーラビリティ問題解決のための機能には、隔離スマートコントラクトというものも存在しています。
曰く、Auroraブロックチェーンで実行されるスマートコントラクトは、全て、Pendingエリアと呼ばれる隔離された場所で処理が行われ、一つのスマートコントラクトの遅延が、ネットワーク全体に波及しない設計となっているとされています。
それによって、Auroraブロックチェーンは、イーサリアムのGASに相当する手数料を、ネットワーク全体のトランザクションの量に影響されずコントロール可能となり、ネットワークへの攻撃耐性を高めるとともに、相対的に公平なプラットフォームとなることが出来るとしています。
彼らのホワイトペーパーによれば、このような、全てのスマートコントラクトを隔離して処理するという試みは、そのブロックチェーン上でメインチェーンと同等性能の様々なトークンを発行することや、マルチチェーンの実装をも可能とするとしており、それはそのまま、上限のないスケーラビリティを実現するものとなると示されています。
創業者やプロジェクトチームについて
上記の通り、Auroraプロジェクトの創始者は赵美军という人物です。
80年代生まれの彼は、中国の西安电子科技大学でコンピュータ科学を学んだエンジニアだとされています。
彼は、2013年頃からビットコインやブロックチェーン技術に関する研究を行っていたとされており、中国のブロックチェーンプロジェクトであるAchainにも、そのプロジェクト立ち上げから参加していた中心人物だったとされています。
ブロックチェーン関連のプロジェクトに本格的に参加する以前の彼は、中国語で”互动吧”と呼ばれるO2Oプラットフォームを開発していたスタートアップに参加しており、そのプラットフォーム上で交わされるビットコインの情報を目にしたことが、初めてブロックチェーンについて知ったきっかけだったと彼は語っています。
また、Auroraプロジェクト自体は2018年に赵美军によって立ち上げられたものとされていますが、赵美军を中心とした彼らのプロジェクトチームは、2017年頃にABitchain(光速比特:ABTC)と呼ばれるブロックチェーンプロジェクトを立ち上げており、そのプロジェクトが名前を変えたものが、現在のAuroraプロジェクトとなっているものと考えられます。
事実、中国の仮想通貨メディアの中には、ABitchainプロジェクトチームがAuroraプロジェクトチームに参加すると共に、ABTCトークンとAOAトークンが自動交換されると報じている記事も存在するため、彼らのプロジェクトは、現在までに、Auroraプロジェクトへ統一されたものと予想されます。
今後の展開
Auroraプロジェクト創始者の赵美军は、ビットコインやイーサリアムについて以下のように定義しています。
彼曰く、ブロックチェーンという枠組みの中では、ビットコインは一つの応用に過ぎず、イーサリアムやEOSもまた、ブロックチェーンを利用した一台のコンピュータでしかないそうです。
彼は、そのような文脈の上で、自身が関わったAchainプロジェクトは、ブロックチェーンを使用したインターネットであるとしながら、さらに、Auroraプロジェクトは、ブロックチェーンを使用したクラウドサービスであると定義しており、そのような視点からは、実際的なソリューションをブロックチェーンを使用して開発するといった、彼の姿勢が垣間見えます。
Auroraプロジェクトは、EVM(イーサリアム仮想マシン)とSolidity言語によるスマートコントラクト開発をサポートするとともに、今後はJavaやgo、C++等の言語でもスマートコントラクト開発をサポートすることをホワイトペーパーで述べており、そのような環境が整うことによって、彼らが使命とする様々な業界とブロックチェーン技術が繋がることが期待されます。
参照 ・https://coinmarketcap.com/ja/currencies/aurora/ ・https://www.feixiaohao.com/currencies/aurora/ ・http://8btc.com/forum-249-1.html ・http://www.bitcoin86.com/ico/22398.html ・http://www.huoxing24.com/newsdetail/20180905180917651866 ・https://www.jinse.com/blockchain/199772.html ・https://www.chainnews.com/articles/786563066082.htm ・https://www.aurorachain.io/Aurora(AOA)%E6%9E%81%E5%85%89%E9%93%BE%E7%99%BD%E7%9A%AE%E4%B9%A6.pdf ・https://www.aurorachain.io/ ・http://www.sohu.com/a/241180420_115060 ・http://www.sohu.com/a/232042579_100111153 ・http://sports.eastday.com/a/180410172711058000000-3.html ・http://liancaijing.com/alerts/12055.html ・https://bitkan.com/news/topic/77010 ・http://www.thewbc.io/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=55&id=602 ・http://dy.163.com/v2/article/detail/D8J2A3PP05198TO4.html ・https://www.qichacha.com/pl_p3e765d9d826b5a0be1c6d1c178417f7.html ・https://baike.baidu.com/item/%E4%BA%92%E5%8A%A8%E5%90%A7 ■中国ユニコーン企業100社以上総まとめ一覧 ■【Chaitech(チャイテック)編集長の想い】チャイナ(China)とテック(Tech)に愛(ai)を込めて ■ご支援パートナー様募集と今後のChaikuruの方向性