中国最大の収入規模を誇る小売業者である京東(JD.COM)は、2017年6月に中国国家品質監督検査検疫総局、工信部、商務部、農業部及び多くのブランドと、偽造ブランド防止のための連盟を立ち上げ、ブロックチェーン技術を使用した商品の品質保持と偽造ブランド撲滅を行っている。
連盟の立ち上げと同時に、京東(JD.COM)はブロックチェーントレサビリティプラットフォームを公開した。
京東(JD.COM)内ではそのプラットフォームを全てのブランドに無料開放しており、現在までに100を超えるブランドと、300を超える売上上位商品に対してブロックチェーントレサビリティ技術が使用されている。
ウォルマート、IBM、清華大学電子商務交易技術国家エンジニアリング実験室と発足した今回の食品安全ブロックチェーントレサビリティ連盟は、京東(JD.COM)が食品というカテゴリーの中で行なうブロックチェーントレサビリティの大きな一手だと言えるだろう。
京東(JD.COM)集団副総裁、Y事業部総裁である于永利はこう話す。
「世界各地、とくに、中国というマーケットにおいて、消費者は、自らが食べる食品がどこで生産され加工されたのかとても気にしている。京東(JD.COM)はブロックチェーントレサビリティ技術を利用してそれら消費者の欲求を解消し、全ての流通を完全に透明化させる。
今回、ウォルマート、IBM、清華大学と協力することは、我々のブロックチェーントレサビリティという取り組みに強力な仲間が加わったということである。関係する様々な人々の協力と努力を通じて、世界の小売業者のパートナー達が、食品トレサビリティ技術によって安全で安心な食品を世界の消費者の皆様へ届けることを我々は希望している。」
IBMグリーンホライズンイニシアチブプロジェクトグローバル責任者であり、中国研究院副院長の董进博士はこう話す。
「ブロックチェーンという先端技術により、食品のサプライチェーンは透明性と安全水準を向上させることが可能となる。これはIBMがこの技術に対して信頼を置いている根底でもある。ウォルマートと清華大学による中国の食品安全領域における幅広いパートナーシップと、京東(JD.COM)等の実際的な企業との協力関係があれば、我々のブロックチェーン技術はより多くの食品サプライチェーンとそのネットワーク、そして消費者に、トレサビリティ性と透明性の向上うを提供することが出来る。」
清華大学電子商務交易技術国家エンジニアリング実験室主任の柴跃廷教授はこう話す。
「清華大学が今まで行ってきた研究は、商業領域での食品安全に必ず結び付くと確信しています。これは中国及び世界の生活品質を向上させるために重要な一つの節目となるでしょう。我々は既にIBMとウォルマートと共に食品のトレサビリティ性向上を可能とする新モデルの確立を行っています。それは同時に、ブロックチェーン技術の運用による食品サプライチェーンの透明性と検証性向上をも可能とします。新しく発足したこの連盟は、食品安全領域における目標達成のためのキーポイントとなると、我々は信じています。」
食品安全ブロックチェーントレサビリティ連盟の発足は、食品偽造や偽造ブランド防止のみならず、業界の川上から川下までを透明性をもってトレサビリティ可能するという品質管理へつながるだろう。
連盟に加盟した企業は、ブロックチェーン技術によって透明性ある情報をシェアする事が可能となり、また、彼らはその要求に沿った情報を、より良い基準を持った、最適なトレサビリティシステムから参照する事が可能となる。
この大きなうねりは、サプライチェーン全体の透明度向上と小売業への新技術流入へ繋がり、より安全な食品環境と消費者の満足を実現させることとなるだろう。
ブロックチェーン技術は食品のサプライチェーンの透明度を大きく向上させることが出来るだけではなく、リコールや検疫等の過程を更に改善し、消費者の安心をより高めることが可能となる。
中国のマーケットが、ブロックチェーントレサビリティ技術を使用するという今回の試みは、中国だけではなく、世界のブロックチェーン技術による食品安全向上にとって、とても大きな意味を持つこととなるのではないだろうか。
翻訳元:http://36kr.com/p/5115387.html