【要約】
バイドゥとXIAOMIが、”IoT”と”AI”の領域で提携を結んだことが明らかになりました。
スマートフォンを中心とした中国IoTを代表するXIAOMIと、検索エンジン業務で中国のAI領域をリードするバイドゥの提携は、ハードウェアとシステムを融合させた新しい時代のIoT+AIを生むでしょう。
中国で最も話題性のある二つの会社がAIのために一つになった。
2017年MIDC第一回XIAOMI-IoT開発者大会において、スペシャルゲストとして登場したバイドゥ総裁兼COOの陆奇は、バイドゥとXIAOMIが、”IoT”と”AI”の領域で提携を結んだことを発表した。
IoTとAIの時代が到来し、それは完全に融合する。
XIAOMIとバイドゥの今回のパートナーシップは、業界内で、”百米全力疾走(バイドゥとXIAOMIの中国語企業名をかけ合わせた造語)”と呼ばれている。
これにより、バイドゥは、XIAOMIとともにIoTとAIを融合させ、更なる実用化シーンを求めることとなる。
二社は、中国における新しいプロダクトモデルを作り出すことになるだろう。
2015年、XIAOMIは初めて、スマートフォンをIoTとリンクさせるという革新的戦略を披露した。
当時、XIAOMI董事長兼CEOの雷军は、二年後、XIAOMIは初期目標を達成し、第二目標を目指すフェーズに移るだろうと話していた。
そして2017年、今、XIAOMIのIoT戦略第二段階は、AIがキーワードとなることがわかった。
XIOAMIはAI技術の支持の下、ハードウェア、ソフトウェア、クラウド、そして販売形態まで、全てをリンクさせるつもりなのだろう。
AIは、IoTのために全てをデジタル化しリンクさせる大切な入り口となる。
雷军は以下のように語る。
「中国全土から世界全域まで、XIAOMIはIoTの先駆者である。XIAOMIスマートハードウェアプラットフォームは、全ての利用シーンでの大規模なユーザー群を有し、そして、それはまた、強大な基盤となる。」
また、雷军は以前の講演の中で、以下のような具体的な数字を語っている。
XIAOMIのIoTプラットフォームには8500万台の端末が繋がれ、一日のアクティブ端末は1000万台以上、パートナーとなっている企業は400社以上、端末種類は800種類以上であり、世界最大規模のスマートハードウェアIoTプラットフォームとなっている。
それ以外にも、過去4年間で、XIAOMIは既に240億中国元以上の現金を300社あまりに投資している。
雷军曰く、創業後7年の間、XIAOMIは常にパートナーと共に発展するという態度を保ってきた。
彼はこう語る。
「多くの友達(パートナー企業)と様々なことをしてきた。敵(敵対企業)を作ったりなどはほとんどしていない。」
陆奇もまた、XIAOMIに対する賞賛を忘れない。
「私はXIAOMIが作り上げたものは、全世界の企業の管理者が真剣に学ぶべきものだと思っています。彼らは非常に独自性のあるイノベーション理論と思考回路を持ち、同時に将来のIoT産業のための非常に堅実な基礎を備えています。だからこそ、私はこう断言できるのです。XIAOMIこそ、IoTの先駆者である、と。」
バイドゥとXIAOMIのパートナーシップにおいて、XIAOMIがその強力なスマートハードウェアプラットフォームを持ち、そしてそれがバイドゥを惹き付けたということはわかった。
それでは、逆に、バイドゥの何がXIAOMIを惹き付けたのであろうか。
雷军曰く、XIAOMIはAI領域の研究開発に多くの時間、多くの投資を行っている。
また、XIAOMIは既に、AIスピーカーとスマートTVというハードウェア、AIカスタマーサービスという実用化されたバックグラウンドを持っている。
そして、それらは広い業界内での評判も高い。
しかしそれでも尚、今回、バイドゥと提携を結べば、それらは更に多くの人々に新しいテクノロジーと利便性をもたらすだろう、と彼は語った。
バイドゥは、中国における最強のAI技術と能力を持っているといえる。
彼らは最も早くからAI領域に対して投資を行い、完成されたプロダクトを実際に運用している。
AI時代におけるバイドゥの戦略はプラットフォーム化を超え、それはすでに一つの生態系を作り出しているのだ。
バイドゥとXIAOMIのパートナーシップは、バイドゥのAI技術の蓄積と、XIAOMIのハードウェア実績が融合し、より素晴らしいプロダクトを完成させることに繋がるのである。
陆奇は以下のように語る。
「XIAOMIには一つに連なった強大な応用化シーンがあります。それは、ハードウェア、ビックデータ、スマート端末を結んでいます。バイドゥは、そこに最強のAI技術、大量のユーザーデータ、データベース、そしてそれをまとめる技術とサービスを融合させることができます。我々二社が共に協同すれば、新しい開発者プラットフォームにおいて、全ての開発者がより良いプロダクトを作ることを支援できるでしょう。そしてそれは、より良いユーザー体験のイノベーション、応用シーンの多様化、そしてユーザー要求のより深い理解、ユーザーの満足へとつながるでしょう。」
バイドゥとXIAOMIは、今後、ナレッジグラフ、ディープラーニング、言語、視覚、自然言語処理、マンマシンインタフェース、無人運転、AIチップ、AR/VR等、様々な領域で深く共同開発を行う。
IoTとAIは、これからの全ての産業における一つの出発点となるだろう。
更に言えば、全ての開発者、全ての企業に対して、IoTとAIはより広い知識、無限の可能性を提供することになる。
データによれば、2030年に向けて、AIは中国に10兆中国元規模の経済効果を生むことになるだろう。
そして、将来の5年~10年の期間、スマートフォンはAI技術が応用される最も大きなプラットフォームとなるのである。