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中国AI企業『今日頭条』の新しいマーケティングシステム。AIがショートビデオの改革を促進させる。

投稿日:2017年11月26日 更新日:

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中国 AI 人工知能 ブロックチェーン

【要約】

・10月17日のROIフェスティバルにおいて、今日頭条コマーシャルプロダクト副総裁の刘思齐は講演を行い、他企業の人間たちともディスカッションを行った

・今後、ショートムービーはモバイルマーケティングの主戦場となる

・今後、今日頭条の新しいモバイルマーケティングは、マーケティング・コンセプトによってではなく、アルゴリズムとAIによって進められる


10月17日の中国ROIフェスティバルにおいて、今日頭条コマーシャルプロダクト副総裁の刘思齐は講演を行った。

“ショートビデオの領域において、今日頭条は関連企業と共にイノベーションを起こす。今後、ショートムービーは中国のモバイルマーケティングの主戦場となる。”と、彼は示した。

 

現在、今日頭条は既に人気アプリケーションの枠を超え、一つのスーパープラットフォームへと成長した。 ビックデータと先進のAIによるアルゴリズムは、今日頭条の発展の核心を支えるとともに、よりインテリジェンスで有効な体系化されたマーケティングサービスをスポンサーへ提供してくれると確信している、と彼は語る。

“将来、今日頭条のモバイルマーケティングイノベーションは、マーケティング・コンセプトによってではなく、アルゴリズムとAIによって進められる。スポンサーは既にデータとツールによって目標とする顧客の行動を深く理解し、それを消費トレンドの予想や将来的な商品開発に活かす事を可能としている。”

 

一つのスーパープラットフォームは、一つの超人気アプリケーションから始まる

今、今日頭条においては、以下の三つのホットな話題がある。
一、中国四川の小さな村で火山小视频のカンファレンスが開かれた。
二、悟空问答は回答の質を向上させるため、中国の有名アカウントと報酬契約を結んだ。
三、抖音中国iDOUナイトカーニバルに00年代の新世代ネットアイドルたちが集まる。

 

この三つの話題というバックグラウンドから、今日頭条が去年一年よりもより豊富な中国のユーザー層と多層的なアクセスを手に入れた事が分かる。今日頭条は、今、より若く、より知識的に、より双方向なプラットフォームへと姿を変えた。

 

今日頭条のモバイルソフトウェアは既に、その情報領域を音楽メディアやソーシャル、写真等の多くの場面にまで広げている。現在、今日頭条はコンテンツの分散普及だけではなく、双方向コミュニケーションや娯楽、サービス等の領域と、ユーザーが持つバックグラウンドや欲求を、シームレスにリンクさせたのだ。

 

目下、今日頭条の傘下にある製品では、アクティブユーザーが一億を超え、ユーザー1人の一日あたり滞在時間は76分以上だ。刘思齐はこう示す。

“ユーザーの滞在時間が長いというのは、我々には巨大なユーザースケールだけではなく、巨大なユーザーの関心度があるということを意味する。これらの巨大なユーザー基盤をもとに、今日頭条はこれからも成長を続けていくという確信がある。全ての会社のデータ、製品、技術、人材が非常に良い循環を作っているということが確信の源となっている。我々は更に多くのデータを取り込み、AIとアルゴリズムによって製品を最適化し、より良い製品を作り出すのだ。そして、それは、より高度な技術への挑戦を意味し、より高度な技術への挑戦は、より多くの人材を吸収することに繋がる。そして、この好循環は既に形成されているのだ。”

 

ビックデータとクラウドが時代を引っ張る、中国のAIはマーケティングを変える

今日頭条は世界で最も早くAIを主力製品に組み込んだ中国企業の一つだ。AI技術は人と情報をリンクし”生産、配布、双方向”の全ての工程で、創作を助け、コンテンツをチェックし、最適化する。膨大な量のデータを効率よく処理し、確かなユーザー体験の提供を行うことを可能とする。

 

刘思齐は今日頭条の発展の軌跡をこう纏める。

編集とソーシャル化、お薦め機能、それらが一体となり双方向のコンテンツを作り上げた。生産と消費、ソーシャルが融合した今日頭条は、インターネットの女神となった。

“中国のモバイルインターネットユーザーが、77%に及ぶ接続時間をBAT(中国のバイドゥ、アリババ、テンセント)+今日頭条に充てている。そして、これらの高いユーザーの関心度は、単純な情報を垂れ流しているだけでは成し得ないものだ。そこには生産や双方向という要素が必要になってくる。今日頭条が用いる技術はクリエーターとユーザーを結びつけ、更に高品質で刺激的な、コンテンツの創造と消費という循環を生む。”

 

AIはデータとアルゴリズムに対して絶え間なく検証と進歩を加えている。今日頭条が新しく推し出すマーケティングモデルとアルゴリズムツールは、様々なブランドの愛用家を分析し、ユーザーのブランドへ対する理解を元に客層を四種に分ける。そしてプラットフォームは目的に従い定制化されたお薦め機能を広告へ最適化させる。ブランドはトピックデータの蓄積を通して自身のブランド資源を豊かにし、過去には分断されていたマーケティングの各部をリンクさせ、同調させることが出来る。ユーザーから獲得してきた長期的な積み重ねは、今日頭条がモバイル時代に最も実力を発揮できるマーケティングプラットフォームとして活かされることになる。

今日頭条は、”現代社会においてブランドが直面しているのは、モバイルインターネットの出現によるマーケティング環境の大きな変化であり、それは今までにないほど複雑だ”との認識を示した。

 

ショートビデオは入口ではなく、モバイルマーケティングの中心となる


今日頭条の過去一年は、中国のショートビデオ領域の勢いの凄さを人々に知らしめた。日々再生される回数は2016年9月の時点では10億回だったが、今年の7月には20億回にまで増えた。そして、マーケティング世界の人間は皆、将来ショートビデオはインターネット上で最も主流のコンテンツとなるだろうという、共通認識を形成した。


そして今、今日頭条は、ショートビデオ、音楽ショートビデオ、ミニビデオの三つの領域を新たに構築し、中国国内において最も完璧なショートビデオプラットフォームの布陣を作り上げた。それは中国語地域において優良なショートビデオのトラフィックを作り、クリエーターを応援する最も完成された体勢と、強大なデータとアルゴリズムによって支えられる。西瓜视频(ixigua.com)、抖音(amemv.com)、火山小视频(huoshan.com)―――これらの中国の企業は全て、今日頭条が新たにパートナーシップを結んだ三つの独立したアプリケーションでもある。

 

“今回のパートナーシップは業界内で非常に多くの注目を集めました。多くのスポンサーが我々との契約を希望し、ショートビデオ広告は今まさに主流となりました。”刘思齐はそう語った。
例えば、抖音は先月ビデオメッセージに広告を流す初めての契約を結んだ。Airbnb、シボレー、中国ハルビンビールの、抖音専用に作られた広告は、プラットフォームとの十分な融合を成功させ、併せて500万回以上の広告再生数をはじき出した。特筆すべきは、ユーザーのフィードバックも非常に良いということだ。あるユーザーは、シボレーの広告を20回は再生したと語った。

 

今日頭条は、好まれてシェアされるショートビデオをマーケティングトレンドとして洞察し、関係するコンテンツを使用し広告を作る。結果、その広告は爆発的に広がっていく。これはブランドとユーザーの対話方式を変えた。例えば、レノボの今年のファン感謝デーにあわせて、抖音とレノボが協力し提案した#放肆show真我#という大会は、オンライン当日に1.3万のユーザーの参加があり、併せて8500万回以上の再生回数を叩き出した。これは抖音プラットフォームでの広告パートナーとの協同作品としては、今までの歴史の中で過去最高の記録となる。

 

グルメの領域についても、今日頭条は8月、中国アリババのT-Mallと合同で”頭条グルメ節”を催し、27のグルメ領域のコンテンツ作成アカウントとともに、30にも及ぶショートビデオを作り、PGC(Professional Generated Content)の改変とeコマース領域のイノベーションと言う新しい試みを行った。

 

今日頭条のマーケティングの方向性は一貫している。それは、”広告によって意味のある情報を届ける。”ということだ。データと技術、そしてプラットフォームの影響力を使用したコンテンツを、広告主とユーザーを繋ぐためのトンネルにしたい、今日頭条はそう願っている。ユーザーの獲得から、ユーザー管理、そしてスポンサーのマーケティング能力向上まで、今日頭条は、すべてのサービスを提供する。

 

今日頭条マーケティングセンター総経理陈都烨、西瓜视频総経理张楠、バドワイザー主流商品マーケット総監李哲林、西瓜视频創立者何仙姑夫、贝壳视频創立者&CEO刘飞、抖音の有名アカウント吴佳煜とBoogie93、彼らは壇上の討論会で”ショートビデオマーケティングの見通し”について、熱い討論を繰り広げた。

 

西瓜视频総経理张楠は言う。
「2014年、15年の頃、我々は発見した。中国のユーザーのビデオへの要求は爆発的に高まるだろうと。今日頭条の作り出した今回のトレンドは、ショートビデオを企業戦略の中に組み込んだのだ。」

 

プラットフォームを運営する側は、必ずそのビジネスモデルと、それに関わるパートナーをウィンウィンにするという考え方が必要であり、クリエーターとユーザー、そしてスポンサーを上手くリンクさせなければならない。プラットフォームはそこに流れるトラフィックを管理し、クリエーターはユーザーの喜ぶコンテンツを継続して作り、スポンサーはそこで初めてユーザーとの良好な対話が行えるようになる。これは一つの完成されたビジネスモデルだ。

 

西瓜视频創立者何仙姑夫と贝壳视频創立者&CEO刘飞は、多くの人にシェアされたショートビデオから事業の心得を学んだという。”我々はショートビデオの業界の中で全てのフェーズを経験してきました。まずはメディアからネットへのフェーズ、そこから色々なプラットフォームの様々な試みが始まり、そして今のような資本を集約させるフェーズになりました。我々はショートビデオのトレンドを見てきました。それはユーザーの好みのトレンドではありません。それはスポンサーのマーケティング上で求められるトレンドです。”

 

バドワイザーの李哲林は、自身の観点をこう語る。
「新しいプラットフォームを目の前にした時、新しいユーザーとのコミュニケーション方法に対して、我々は期待と恐怖を感じるんです。期待とは、新しいプラットフォームが可能とするユーザーとのコミュニケーションですが、恐怖とは、もうTVコマーシャルの天下は終わり、今や異なったプラットフォームで異なったコンテンツが求められるのだ、というものです。特にショートビデオに合ったコンテンツ形態というのは今までと非常に違ったものでした。そして、今回、抖音との協同作業は、我々を非常に楽しませてくれました。だから、幾つかの心得を皆さんにシェアしたいと思います。一つはブランドを必ずコンテンツの一番最初に出すべきです。それは素早くユーザーの心を掴みます。二つ目は、注目するだろう所やタレントの出現、効果的な演出などは、ユーザーの目を引きたい場所の3秒前には出しましょう。そして三つ目は、ユーザーは直接目の前のスマートフォンの画面を見ているため、我々は全て接写にてビデオを撮影しました。ユーザーに、より製品の魅力を感じ取ってもらいたかったからです。」

 

口腔科の一人の医者である吴佳煜は、海外留学をしているときに抖音と出会った。そしてBoogie93は街のダンスの先生だった。彼らは流行に敏感で、特別にクールな抖音での遊びを好んだ。一年も経たない内に、静かな口コミによって広がった彼らは抖音の人気者となった。二人は抖音で共に100万人以上からフォローされている。

 

抖音のクリエーターとフォロワーの双方向の交流はとても多く、非常に活発だ。彼らはオンラインとオフラインにおいてお互いに助け合い、抖音は既に一つの大きなエネルギーを持ったプラットフォームに成長した。抖音のフォロワーたちは、小さなファンクラブではなく、一つの大規模な集団を形成している。そして、その人気アカウントたちもまた、高い創造力と表現力を持った若者たちが一つに集まり一緒にビデオを撮るという独特の文化を形成した。彼らはプラットフォームの上で、お互いに創作の火花を散らしているのだ。

 

今日頭条は中国で業界の先頭を走ると共に、イノベーションを起こす開拓者の精神を忘れてはいない。AIを核心とし、データとツールをエネルギーに変え、スポンサーのためによりインテリジェンスで高効率なマーケティングサービスを提供する、そして今日頭条はまたマーケティングにイノベーションを起こす。

 

今日頭条マーケティングセンター総経理陈都は最後にこう締めくくった。
「本日、今日頭条は皆さんに異なるショートビデオのビジネスモデル、異なるプラットフォーム、異なるクリエーター、異なるインフルエンサーをご紹介しました。今の時代は中国でもインフルエンサーが広告において影響力を持っています。そして我々のスポンサーも異なる角度と思考から新しい領域を模索し、今日頭条と共にイノベーションの実戦を行っています。」

 

今日頭条の見る先にあるマーケティング改革の大きなトレンドが、ストップすることは無いだろう。

翻訳元:http://tech.ifeng.com/a/20171117/44765813_0.shtml

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