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アジア最大のバカンスシーズン 春節(別名:旧正月)とは?

投稿日:2015年1月15日 更新日:

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忙しい毎日を送っていると、たまの休みにはどこか息抜きに出かけたいものですよね。それは世界中どこの国でも同じです。日本だとゴールデンウィークやお盆休み、正月休みなど、どこの観光地も多くの人出で賑わいます。では中国人にとってはいつが旅行シーズンなのでしょうか?そう、それが春節です。今回は春節とは何なのかをご説明致します。

春節は中国最大の大型連休!

春節とは

春節はいわゆる太陰暦で言う正月、つまり「旧正月」のことです。感覚的には日本の年末年始に近いと言えます。日本も昔は旧正月を祝っていたのですが、明治維新で太陽暦が採用されて以降、現在の太陽暦に基づく正月が祝われるようになったそうです。でも中国には太陰暦がまだまだ息づいていて、人々も生活の中で旧暦と新暦を器用に使い分けています。そして中国の正月はこの旧暦に基づいて祝われるんです。

ちなみに春節は中国最大の大型連休で、2015年は2月19日が春節に当たり、一般的には国中が2月18日から2月24日まで7連休に入ります。この時期は中国人にとって格好の旅行シーズンでもあるわけです。

実はアジアではほとんどが春節を祝う、その数なんと約20億人!

アジア

日本ではほとんどなじみのない旧正月、でも実は沖縄にはまだこの風習が残っていますし、世界でも中国をはじめ台湾、韓国、北朝鮮、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、モンゴルなどでは国の休日として大々的に祝われているんです。

実は日本以外のアジアのほとんどの国で祝われているんですね。ちなみに上に挙げた各国の総人口が約20億人、世界人口が約70億人ですから、実に世界の30%近くの人が春節(旧正月)を祝っていることになります。

春節には帰省、でも海外旅行が最近のトレンド

春節の移動

春節には最低7日間(あるいはそれ以上)休みになりますので、多くの人が実家に帰ったり旅行に出かけたりします。この辺り、日本の年末年始と同じですね。ちなみに1ヶ月以上平気で店を閉めて帰省する人たちもざらです。

2013年の中国政府予測によると、1月後半から3月前半の「春運」と呼ばれる帰省ラッシュ40日間に、道路、鉄道、航空機などの交通機関を利用する延べ人数は34億人。1人当たり往復6つの交通手段(片道に列車を2本乗り継いだ後バスを利用など)を利用すると仮定すれば、この40日間に移動する人の数は5億人以上、とのことです。

約1か月の間に日本人口の何倍もの人数が移動するわけです。上の写真はこの時期の駅前の混雑ぶりです。特別なものではなく、この時期中国全土で普通に見られる光景です。

ちなみに人民網の報道によると、2014年春節の連休期間中の旅行者数(帰省ではない)は前年比10%増加の2億2500万人に達し、旅行先も中国以外(海外旅行)が国内旅行を初めて上まわった、とのことです。最近では春節を利用して海外旅行を楽しむ中国人が増えている、という事ですね。

春節に中国人旅行客を呼び込んで大きなビジネスチャンスに!

岐阜のweibo

先ほどの人民網の報道によると、春節期間の旅行熱は高まり続けており、うち海外旅行を希望する人は約40%、人気の目的地は韓国や台湾、日本なんだそうです。また中国人観光客を扱う旅行会社によると、2014年の春節期間中だけで5万人以上の中国人が日本を訪れた、とのことです。

ちなみに日本に来たい理由としては、「環境がきれい」「食品が安全で美味しい」「日本人は正直なので買い物が安心」「ホテルや旅館のおもてなしが最高」、(だからだそうで、行きたい場所も、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」のアンケートによると、東京など都会だけでなく、箱根や奈良、温泉など地方の風光明美な観光地が上位にランキングされているそうです。

「この機会を逃す手はない」と思いませんか?「でも、ここは地方で全然メジャーではないし…」とおっしゃる方もおられるでしょう。でも心配しないでください。彼らが求めているのは都会でのショッピングだけではありません。

先ほどのデータも示すように、日本の自然や文化に浸って癒されたい、という需要が徐々に増加してきているんです。実際岐阜県の白川郷は、ご存知のようにかなりの田舎ですが、中国版SNS「ウェイボー」で継続的に情報を発信していて、中国でも徐々に知名度が上がってきているそうです。インターネットで世界中がつながるこの時代、どんな地域にも必ずチャンスがあるという事ですね。

まとめ

大きく経済発展を遂げ、豊かになった世界最大人口を誇る中国、これはそれだけの市場がまだ隠れていることを意味します。そしてその中国で、春節の大型連休を海外で楽しみたい人々の注意が今、日本に向いています。しかも春節は旧暦のため、例年1月末から2月初めの時期に当たります。

日本の観光業にとってこの時期は年末年始のラッシュが収まり、閑散期です。ここに中国人観光客を呼び込めれば、とても大きなビジネスチャンスになりますと思いませんか?このビッグチャンスを逃す手はありませんね。是非今から対策を練ってみて下さい。

 

 

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