観光庁の調べでは、2014年の訪日外国人旅行消費の総額は2兆305億円で過去最高でした!観光業にとっては大きな波が押し寄せてきていると言えるでしょう。しかし、一概に旅行客といっても様々なタイプがいます。異なるタイプの旅行者の傾向を把握し、ふさわしいサービスを提供することが今後の旅行業者の運営を大きく左右するといっても過言ではありません。今回は、過激消費を続けている訪日中華人にスポットを当ててみました。
ダントツに多い中華人の消費額!
じつは中華人の総消費量は非常に多い、圧倒的ともいえる数字です!観光庁の調査によれば、2014年の中華人(この場合中国人、台湾人、香港人、シンガポール人の合計)の消費額は以下の通りです。 中国5583億円(27.5%) 台湾3544億円(17.5%) 香港1370億円(6.7%) シンガポール355億円(1.7%) 中華人の比率は53.7%です。つまり日本への観光における消費元の半数以上が中華人であるといことです。いかに中華人の全体消費が圧倒的であるかということが分かります。(http://www.mlit.go.jp/common/001066481.pdf)
多いだけでなく、増加率も半端ではない中華人の旅行消費額
中華人の旅行消費額も増加し続けています。(観光庁による2013年との比較) 中国(102.4%) 台湾(43.2%) 香港(29・9%) シンガポール(14.2%) 4カ国からの訪日旅行者がいずれも増加しています。特に中国は増加率が去年の倍以上となっています。2015年1月の中国人ビザ緩和政策を機にさらに日本を訪れる人は増えるでしょう。(http://www.mlit.go.jp/common/001066481.pdf)
中国人 台湾人 香港人 シンガポール人の異なる性格に合わせたサービスを!
中華人といってもそれぞれ性格や文化に違いがあります。おもてなしをする際にはそんな「違い」を理解しておくことでより良いサービスを提供することができるでしょう。以下に国別に違いをまとめてみました。
サービスへの概念が異なる中国人には正攻法で!
日本と中国大陸では「サービス」というものの概念に大きな差があります。中国では店員と客とでは対等に近い関係です。最も日本では「お客様は神様」という言葉に集約されるようにサービスが徹底されています。訪日中国人の中には日本で受けたサービスに感嘆するケースが後を絶たず、中国版のsnsの微博・微信(ウェイボー・ウェイシン)では常に日本のサービスの素晴らしさが紹介されています。中国人の方をおもてなしする際は、自信をもって日本式のサービスを提供しましょう。(http://www.sankei.com/world/news/150119/wor1501190017-n1.html)
香港人にはサービススピードとショッピングへの利便性で勝負!
都市化が発達し、いつも時間に追われていて、常に急いでいます。街を歩く人のスピードもすごく速いのが香港人です。サービスにおいてもスピードが命で、店の人の応対は質よりスピードだと思っています。また、おしゃれが大好きな香港人にとっては、日本でのショッピングはとても重要です。モールなどへの送迎などのサービスがあればきっと喜んでもらえるでしょう。(http://ja.myecom.net/chinese/blog/2013/12388/)
おっとりゆっとりの台湾人にはじっくりと丁寧なサービスを!
他の中華人と比べてのんびりしていて大らかであるといわれています。近代化が進む今でも中華人のもつ人情味が今でも良く残っていて、街の人々の生活のペース、歩くスピードもゆっくりしています。旅行中でもそんな気質が表れますから、スピードより質がポイントとなります。台湾人をおもてなしするときには、精一杯日本式の丁寧なおもてなしを提供してあげたら喜んでもらえることでしょう。(http://youpouch.com/2013/11/11/141690/)
お得感を強調してシンガポール人を引き寄せよう!
シンガポール人の性格を表す言葉に「キアス」ということばがあり、とっても負けず嫌いです。この「キアス」とは「失敗したり負けたりすることが怖い」という意味で、それが「人より得をしたい、持たざる者になるまい」という強い願いにつながり、「特売品」や「○を買えば○が付いてくる」というようなサービスにたいして非常に敏感にさせています。行列が大好きな性格であるため、一度人気が出てしまった物に対する執着心を非常に強く持っています。いかにお得感を強調できるかがポイントです。(http://www.huffingtonpost.jp/taviicom/singaporean-kiasu_b_6321644.html)
中華人を理解した接客ができるかどうかが発展のポイント
近年、LCCの増設や訪日中華人の数は増え続けています。そんな中華人の特性をいち早くつかみ、適したサービスを提供できれば間違いなく多数の顧客を獲得することができるでしょう。そのためには、中華人を良く知り、理解することがポイントとなります。しっかり勉強して、発展のための土台を据えましょう。