ShareXは、李刚强という人物が中心となって展開されている仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトです。
彼らは、そのブロックチェーンを基礎としたプラットフォーム上で、未上場株式を取引可能とすることをプロジェクトの目標として掲げています。
プロジェクト創始者である李刚强は、2015年から中国のユニコーン企業等の未上場株式を取引可能とする潜力股(mailaogu.com)というプラットフォームを開発しており、ブロックチェーンプラットフォームを開発するShareXプロジェクトは、潜力股プロジェクトの延長線上にあるものと予想されます。
目次
■プロジェクトの背景
■アルゴリズム、時価総額等
■創業者やプロジェクトチームについて
■今後の展開
プロジェクトの背景
ShareXは、中国の一般的な新規株式公開前投資(PRE-IPO)について、その投資がIPOとなるまでに約50ヶ月を要するという統計をホワイトペーパーで示しています。
さらに、その統計によれば、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル等のプロジェクト早期から投資を行う投資家は、IPOまでに更に長い時間を要することが示されており、中国で行われるPRE-IPO投資の実情を垣間見ることが可能となっています。
また、ShareXプロジェクト創始者の李刚强は、中国マーケットで行われるPRE-IPO投資は、IPOの成功を投資のゴールとする傾向がアメリカよりも非常に強くなっていると指摘しています。
彼が示すデータによれば、中国マーケットでPRE-IPO投資を行いその現金化に成功する割合は、IPOによるものが50%以上であるのに対し、一方のアメリカでPRE-IPO投資を行いその現金化に成功する割合は、IPOによるものはたった5%程度しか存在していないそうです。
そのデータによれば、アメリカで行われるPRE-IPO投資環境では、IPO以外で、M&Aと未上場株式取引によって90%以上が現金化されていると示されており、その割合は中国の40%と比べて非常に高いものとなっています。
これまでの中国では、ユニコーン企業と呼ばれる未上場の前途有望なスタートアップ企業が数多く誕生しており、それら新興企業の躍進は、日本のビジネス界でも昨今注目されているものだと思われます。
しかしながら、そのような新興企業にPRE-IPO投資を行う中国の投資家たちの中には、上記のような、投資の流動性を求める機運が存在するものと考えられます。
李刚强は、中国の一般投資家にとっても、未上場株式への投資は魅力的であり、信頼できる機能的なプラットフォームが存在すれば、これまでPRE-IPO投資に参加できなかった一般投資家もまた、未上場株式を購入することが可能となると指摘しています。
彼は、これまでに一般投資家がPRE-IPO投資に参加できなかった理由として、投資金額の高さと情報の不透明さ、そして信頼できるプラットフォームの不足を挙げています。
たとえば、中国の一般投資家がPRE-IPO投資に参加しようと考えた場合、そのような有望企業を見つける事自体が難しいのではないでしょうか。
また、一般投資家がPRE-IPO投資を未上場企業へ直接行おうと考えた場合でも、スタートアップ企業からすれば、小口の投資を管理することが非常に煩雑であるという理由等が存在するため、一般投資家からの投資を受け付けることは少ないものと考えられます。
さらに、一般投資家が、既にPRE-IPO投資を行っている投資家と直接株式を取引することも可能でありますが、そのような取引環境には、詐欺を始めとする様々なリストとコストが存在しています。
ShareXが掲げる、ブロックチェーンを基礎とした未上場株式取引プラットフォームの実現は、トークン化された資産をブロックチェーン上で取引することによって、上記のような問題を解決し、未上場株式取引というマーケットに、大きな流動性を与えるものだと考えられます。
アルゴリズム、時価総額等
ShareXプラットフォームで使用されるトークンは2種類存在しています。
彼らは、プラットフォームトークンとなるSEXC(潜力币)と、ステーブルチケット(ステーブルコイン)となるSEXT(潜力券)によって、そのプラットフォームを運営していくとしています。
まず、プラットフォームトークンであるSEXCは、現在までにその時価総額が8300万円程度とされています。
SEXCトークンは、ShareXプラットフォーム上で、未上場株式の登記手数料や取引手数料、付加価値サービスの利用料として使用されるそうです。
また、ステーブルチケットとされるSEXTは、法定通貨の米ドルと1:1でペッグされているチケットとなっています。
SEXTは、ShareXプラットフォーム上での資産売買に使用されるチケットであるとされており、ユーザーは、法定通貨ではなくSEXTを使用することによって、信頼できる透明性ある資産取引が可能となるとされています。
彼らのブロックチェーンは、コンソーシアム型ブロックチェーンであるとされており、プロジェクトに参加しているエンジニアの経歴などから、それはHyperledger Fabricに近いものであると予想されます。
また、彼らは、SEXCトークンを使用し、POA(Proof of Activity)+ POC(Proof of Contribution)アルゴリズムを通した奨励システムを備えることをホワイトペーパーで言及しており、ShareXプラットフォーム上での貢献度に応じた奨励が行われるとされています。
創業者やプロジェクトチームについて
上記の通り、ShareXプロジェクトの創始者は李刚强という人物です。 彼は、これまでに中国の投資マーケットで活躍してきた起業家とされています。
北京大学を卒業後、彼は艺龙网投资や九鼎投资、中国电信グループ等の企業で、投資マネージャーやアナリストを務めています。
彼は2014年に、联创永宣というベンチャーキャピタルのパートナーとなるとともに、2015年にはエンジェル投資を専門に行う无穹创投というファンドを立ち上げています。
また、彼が2015年に創業した北京潜力股科技有限公司という企業は、冒頭でご紹介した未上場株式を取引可能とする潜力股(mailaogu.com)というプラットフォームを開発しており、ShareXプロジェクトと潜力股プロジェクトが非常に近い関係性にあることが垣間見えます。
今後の展開
ブロックチェーンの持つ分散型台帳としての透明性は、一般投資家とPRE-IPO投資家、そしてスタートアップ企業を確かに繋ぐことが可能となります。
そのため、これまでにも、中国国外では、同様のプロジェクトが幾つか誕生しており、そのような中で、中国マーケットに特化することができるShareXが、今後どのように発展していくのか注目されます。
ブロックチェーン技術を使用したスマートコントラクトによって、そのプラットフォーム上では資産のエスクロー取引が可能となり、さらにトークン化された未上場株式の売買環境は、一般投資家が求める信頼できるプラットフォームそのものであるとも考えられるため、このようなマーケットの発展可能性は、確かに存在するのものと思われます。
しかしながら、現在の中国では、最も優秀な投資機構が行うPRE-IPO投資であっても、その内、IPOに成功するプロジェクトは9%、IPO以前に投資を現金化できるプロジェクトは17%であるとされており、それ以外のプロジェクトでは、その投資を成功させることが非常に困難となっていると予想されます。
このような中国で行われるPRE-IPO投資の実情は、ShareXのようなプラットフォームの出現によって改善するのかどうか見通せない部分も多く存在し、彼らが挑戦を行う中国の未上場株式マーケットというものが、今後どのように成長していくのかも注目されます。
参照 ・https://xw.qq.com/cmsid/20180417B1L5Q600 ・https://www.jinse.com/news/blockchain/162356.html?query=Java ・https://www.jinse.com/news/blockchain/178339.html ・https://www.jinse.com/news/blockchain/184271.html ・http://tech.hexun.com/2018-07-11/193433397.html ・https://baijiahao.baidu.com/s?id=1601245157035490997&wfr=spider&for=pc ・http://m.sohu.com/a/242288390_466937 ・https://coinmarketcap.com/ja/currencies/sharex/ ・https://sharex.vc/whitepaper ・https://sharex.vc/ ・https://www.mailaogu.com/aboutus ・https://sharex.vc/articles/list/2 ・https://sharex.vc/articles/detail/177 ・https://sharex.vc/articles/detail/169 ・https://baijiahao.baidu.com/s?id=1598280542015753920&wfr=spider&for=pc ・https://www.qichacha.com/firm_2dc8f0e716c4e1314d2495638b49095d.html ■中国ユニコーン企業100社以上総まとめ一覧 ■【Chaitech(チャイテック)編集長の想い】チャイナ(China)とテック(Tech)に愛(ai)を込めて ■ご支援パートナー様募集と今後のChaikuruの方向性