目次
■サービスの簡単な説明
■定量説明
■創業者の紹介
■サービスの説明
■今後の展開
サービスの簡単な説明
Kcashは、仮想通貨のウォレット機能や分散型取引所(DEX)機能、仮想通貨の投資信託サービス等を備えたスマートフォン向けアプリケーションです。
彼らのプロジェクトチームは、Kcashというプラットフォームを、アリババのAlipay(支付宝)のようなサービスとすることをプロジェクトの目標に掲げており、ユーザーがデジタル資産を手軽に扱えるプラットフォームを作るべくプロジェクトを進めています。
現在の彼らのウォレットサービスでは、複数の仮想通貨が保管できるようになっており、そこには60億中国元以上のデジタル資産が預けられているとされています。
定量説明
- 創業年:2017年(前身プロジェクトは2013年)
- 運営チーム人数:30人以上(2018年4月)
- カテゴリー:仮想通貨ウォレットサービス
- ユーザー数:2018年7月時点で100万ユーザー以上
創業者の紹介
Kcashプロジェクトの創業者は、祝雪娇という人物です。
彼は、2005年に中国清華大学に入学したあと、エンジニアリング等の研究をする傍ら、2011年には中国のスタートアップであった微团というプロジェクトにエンジニアとして参加しています。
微团のプロジェクトは、当時の中国で流行していた共同購入クーポンサービスを展開していたとされていますが、その挑戦は、最終的に過当競争となったマーケットによって淘汰されてしまったとされています。
当時の祝雪娇は、そのようなインターネットサービスの競争と潮流を目の当たりにし、どのようなビジネスであれば生き馬の目を抜くといわれる中国マーケットで戦えるのだろうかと常に考えていたそうです。
彼がビットコインに出会ったのは、ちょうどその頃だとされています。
当時、ビットコインのコードを眺めた彼は、6万行に及ぶ全てのコードが一つの問題も起こさず非中央集権的な環境で可動していることに非常に感動したそうです。
当時を振り返り、彼はこう語っています。
「BAT(中国の三大テクノロジー企業)によって既に中国のインターネット業界は独占されていました。モバイル市場はまだ勝機があったかもしれません。しかし、ブロックチェーン業界には敵となる存在がまったく存在していませんでした。」
当時の彼は、ブロックチェーン業界に全てを賭けて挑戦することを決め、2013年末にYardWalletとYardPayというビットコインのウォレット・支払いサービスを展開するプロジェクトを立ち上げています。
しかしながら、彼が始めたそのプロジェクトは、幾つかのパートナー企業と提携を結びながらも、2015年ごろには資金難に陥り、最終的にはサービスの停止を余儀なくされています。
彼は、2013年という時期が、未だ多くの人々にビットコインや仮想通貨の可能性を理解してもらえる段階では無かったと振り返りながら、それでも、当時の挑戦によって様々な経験と知識を得たからこそ、2017年に立ち上がったKcashプロジェクトが短期間に理想的なスタートを切れたのだと振り返っています。
また、当時、YardWalletとYardPayプロジェクトが頓挫した際、祝雪娇を中心としたプロジェクトチームの面々は、別のプロジェクトに参加するなどし新たな経験を積んでいます。
そして、2017年、祝雪娇は、仮想通貨ウォレットプロジェクトを再び立ち上げるため、当時のプロジェクトに参加していた面々に再び声をかけ、Kcashというスマートフォンアプリケーションをローンチしています。
サービスの説明
Kcashは、多種多様な仮想通貨を一つのサービスで保管できるようにすることによってユーザーの利便性を高め、また同時に、そのプラットフォームで様々な機能やサービスを提供することによって、アリババのAlipayのような複合的な金融プラットフォームを作ることを目標に掲げています。
彼らは現在、そのプラットフォームで、ウォレット機能のみならず、分散型取引所(DEX)機能や仮想通貨の投資信託サービス等を提供しています。
彼らが提供する仮想通貨ウォレットサービスは、多くの仮想通貨に対応しながらも非中央集権性を保つ取り組みを続けており、そこでは、仮想通貨のフォークによって生まれる新たなトークンの取得が多くサポートされています。
また、彼らが提供する仮想通貨の投資信託サービスは、”币生币”と呼ばれており、それはまるでAlipayと紐付けられたYuebao(余額宝)のようなサービスとなっています。
Alipay(支付宝)は、もともと、アリババのeコマースプラットフォームである淘宝網(Taobao)の決済をおこなうために誕生したサービスとされていますが、その金融プラットフォームとしてのイノベーションが大きく注目されたきっかけは、Yuebao(余額宝)という投資信託サービスをスマートフォンのアプリケーションから手軽に利用できるようにしたからだとも言われています。
Yuebao(余額宝)は、銀行に預けておくよりも高い金利の金融商品を揃えており、ユーザーは自身の要求に見合った投資をスマートフォンから手軽に行うことが可能となっています。
Kcashの提供する”币生币”も、Yuebao(余額宝)と同じように、仮想通貨資産をただ保管するのではなく、既存の投資信託を仮想通貨で購入するような感覚で投資を行い金利を得られることをユーザーに提案するサービスとなっています。
現在の彼らは、”币生币”等のサービスを行うために、Tokenmania Asset Management Corporation等の仮想通貨資産運用会社と提携しています。
Tokenmaniaという仮想通貨資産運用会社は、現在までに、複数の仮想通貨取引所で異なる価格の仮想通貨を頻繁に売り買いし利益を上げるアービトラージによって資産を運用しているとされています。
彼らは、これまで年利8%ほどの仮想通貨金融商品を”币生币”から提供しているとされていますが、今後は、更にリスクやリターンの異なる仮想通貨金融商品のラインナップを増やしていくとしています。
また、彼らは、”币生币”以外にも、複数の仮想通貨金融商品サービスをローンチしています。
たとえば、”活币宝”というサービスでは、”币生币”よりも低い金利ながら自由に仮想通貨資産の出し入れが可能となっており、ユーザーは様々なリスクやリターン、利便性を比べて仮想通貨を使用した投資を行うことが可能となっています。
今後の展開
Kcashプロジェクトでは、現在までに、独自のブロックチェーンを使用したKCASHというトークンを開発しており、今後は、そのブロックチェーンやトークンを使用したトークンエコノミーの発展が期待されています。
彼らは、そのブロックチェーンの開発に従い、将来的には”币生币”等の金融商品サービスのデータ等もそのブロックチェーン上に記録していきたいとしており、それらが実現すれば、彼らのサービスはより信頼できるものとなるのかもしれません。
また、彼らは、プロジェクト当初から、VISAクレジットカードを使用した仮想通貨の支払いサービスを実現することも一つの目標として掲げています。
しかし、その他の仮想通貨プロジェクトを見ても分かる通り、クレジットカード各社は、現在までに仮想通貨プロジェクトとのパートナーシップに慎重になっており、このようなアプローチの実現がはたして成功するのかも注目されます。
参照 ・https://baijiahao.baidu.com/s?id=1607432184643079520&wfr=spider&for=pc ・https://www.kcash.com/index-cn.html ・https://www.kcash.com/doc/KcashWhitePaper.pdf ・https://www.jinse.com/news/bitcoin/83630.html ・https://www.tuoluocaijing.cn/article/detail-42.html ・https://baike.baidu.com/item/%E5%BE%90%E6%98%8E%E6%98%9F/15897840 ・https://www.hecaijing.com/article/show/15274725301226465.html ・http://www.zijie.com/25973.html ・https://zhuanlan.zhihu.com/p/35769453 ・https://www.jinse.com/news/blockchain/121383.html ・https://www.lieyunwang.com/archives/445454 ・https://www.jianshu.com/p/a7665b542f6b ・http://www.120btc.com/baike/qianbao/1671.html ・https://www.lieyunwang.com/archives/446737 ■中国ユニコーン企業100社以上総まとめ一覧 ■【Chaitech(チャイテック)編集長の想い】チャイナ(China)とテック(Tech)に愛(ai)を込めて ■ご支援パートナー様募集と今後のChaikuruの方向性