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クロスシステムを掲げ信用をインデックスする次世代仮想通貨、ONTについて

投稿日:2018年7月18日 更新日:

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ONT(Ontology)は、中国語で”本体”や”本体币”と呼ばれている仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトです。

このプロジェクトは、2017年末に誕生した比較的新しい中国発の仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトです。

彼らは、2018年3月にONTトークンをNEOのエアドロップ(レート0.2 ONT : 1 NEO)として配布しており、現在ではバイナンスを始めとする複数の取引所でONTトークンが扱われています。

また、彼らのプロジェクトチーム責任者である李俊という人物は、NEOプロジェクトの創始者である达鸿飞が2016年末に設立したとされる会社ONCHAIN(上海分布信息科技有限公司)の共同創業者(監事)を務めており、中国では、ONTプロジェクトはNEOプロジェクトと非常に近い関係にあるものと考えられています。

目次
■プロジェクトの背景
■アルゴリズム、時価総額等
■創業者やプロジェクトチームについて
■今後の展開

プロジェクトの背景

ONTは、ホワイトペーパーの中で、現在社会の信用(トラスト)メカニズムは多様化しており、多くのシーンで信用のための様々な問題と高いコストが生じていると指摘しています。

たとえば、信用を証明するために現在社会の人々・組織は多くの資料を集め、信用を判断する側に提出しなくてはなりません、そして、信用を判断する側は、多くの時間とコストをかけてそれを精査する必要があります。

彼らは、断片化した各業界に存在するそういった信用(トラスト)メカニズムの課題を、統合された一つのブロックチェーンネットワークを利用した、新しい世代の信用システムによって解決するとしています。

そして、その新しい世代の信用システムこそが、ONTが提供するソリューションの一つとなるそうです。 彼らが作るブロックチェーン技術を使用した信用(トラスト)システムは、パブリックチェーンによって作られ、クロスチェーンのみならず、様々なブロックチェーン以外のシステムとも繋がるクロスシステム技術の実現を目標として掲げています。

たとえば、銀行等のレガシーな組織は、データをパブリックチェーン上に保存することに難色を示すかもしれません。

しかし、ONTは、”インデックス方式(索引:Index)”によってこの問題を解決するとしています。 その時、ONTは一つの検索エンジンのような働きをするため、レガシーな組織は、データをパブリックチェーン上に保存せずとも、既存のITシステム・データベースを運用したままONTネットワークを利用できるそうです。

ONTがクロスチェーン技術の開発にとどまらず、ブロックチェーンとその他のシステムを繋ぐクロスシステム技術の実現を目指す背景は、上記の銀行のようなレガシーな業界・組織を自らのシステムに取り組むためだと考えられます。

彼らは、クロスシステム技術を使用し既存のITシステムに繋がることによって、独自のインデックス(索引:Index)を作ります、それはまるで、現在のGoogleが様々なWebサイトにクローラ(Crawler)を巡回させインデックスを作ることに似ているのではないでしょうか。

もしも、将来、ONTがクロスシステム技術を実現すれば、それは全ての産業をバージョンアップさせる画期的なイノベーションとなるはずです。

レガシーなシステムは、ONTに繋がるだけで、インデックスにより構築された信用システムを利用することができるようになるのかもしれません。

アルゴリズム、時価総額等

ONTの時価総額は、2018年7月現在860億円ほどとされています。 また、ONTはコンセンサスアルゴリズムとして、VBFTという特徴的なメカニズムを採用しています。

ONTは、VBFTについて、POSとVerifiable random functions (VRF)、Byzantine fault tolerance (BFT) を融合させた新しいアルゴリズムであると発表しています。

彼ら曰く、VBFTのメカニズムでは、VRFによってランダムに選ばれたノードがブロック生成の準備と検証を行い、その検証結果に対して投票を行うことによってブロック生成を完成させるそうです。

このコンセンサスアルゴリズムでは、VRFを利用したランダム性とPOSによって耐攻撃性を持ちながら、BFTのスケーラビリティを保つことが出来るため、ONTは非中央集権化された公平性と、パブリックチェーンとしての高いスケーラビリティを実現可能とするとされています。

創業者やプロジェクトチームについて

先述のとおり、ONTのプロジェクトチーム責任者はONCHAINという会社の共同創業者であるため、ONTの実際的な創始者も、NEOの創始者である达鸿飞ではないか、という噂は、中国のみならず日本でも多く見受けられます。

実際のところは、ONTに対して达鸿飞がどれほど関与しているのかは未だはっきりしませんが、ONTのプロジェクトチームのほとんどがONCHAINのメンバーであるとされているため、ONTとNEO、そしてONCHAINという会社が、一つに繋がることは避けされない状況だと思われます。

なお、NEOとONTは2018年5月に戦略的な技術提携を結んでおり、NEOのミートアップにはONTが頻繁に参加していたりするなど、ONT誕生から間もない状況で様々な情報・状況が交錯しているため、これらの確かな背景が分かるのはもう少し先かもしれません。

ちなみにONCHAIN(上海分布信息科技有限公司)の会社情報には、笪鸿飞という人物が董事長として登記されていますが、”笪鸿飞”も”达鸿飞”も同じDa Hongfeiという読み方をされる中国語の人物名のため、こちらも同一人物であるとする説が濃厚です。

今後の展開

ONTは、マイクロソフトやIBM、マスターカード、IOTA等が参加する分散型ID認証ファウンデーション(DIF)に中国ブロックチェーン企業として初めて参加しているなど、信用システム構築のための実際的な取り組みを続けています。

NEOはスマートエコノミーの実現のために、デジタルアイデンティティという概念を掲げているため、もしかすれば、ONTが分散型ID認証技術に特価した未来では、NEOのスマートエコノミーのデジタルアイデンティティ部分をONTが担う可能性もあるのかもしれません。

しかし、実際的には、ONTプロジェクトでは、信用システム構築以外にも、そのパブリックチェーンネットワークを使用して、分散型の他要素アイデンティティ認証のみならず、信用移転、データ記録・保護、スマートコントラクト、データ交換、マネジメント等、様々なソリューションを提供できるエコシステムになるとされているため、ONTがNEOを淘汰し、まったく新しい次世代プラットフォームになる可能性も捨てきれません。

しかしながら、冒頭で述べたクロスシステムという技術は、現在の多くのブロックチェーンプロジェクトが、クロスチェーンの技術開発に向かっている昨今では、非常に飛躍した概念であると感じちれます。

もちろん、このクロスシステムが実現する未来には、今では想像もつかない利便性がブロックチェーンのみならず、様々なシステム・ネットワークに付与されることになるでしょう。 たのためのイノベーションがONTから生まれることを期待したいと思います。

参照 
・https://coinmarketcap.com/ja/currencies/ontology/
・http://identity.foundation/
・https://ont.io/
・https://ont.io/wp/Ontology-Introductory-White-Paper-ZH.pdf
・https://info.ont.io/team/zh
・https://info.ont.io/view-point/V0027/zh
・https://info.ont.io/press/N0001/zh
・https://info.ont.io/press/N0027/zh
・https://info.ont.io/press/N0041/zh
・https://info.ont.io/press/N0005/zh
・http://www.onchain.com/
・https://www.qichacha.com/firm_b93a848208681237a8eb1b1c2d9ff9f3.html
・https://www.jianshu.com/p/6b97ea80aaf9
・https://cloud.tencent.com/developer/news/196510
・http://news.fx168.com/blockchain/1805/2511400.shtml
・http://www.bianews.com/news/details?id=12263
・https://www.chainnews.com/articles/452945567814.htm
・https://new.qq.com/omn/20180311/20180311G0UJOR.html

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