【要約】
・中国のブロックチェーン関連企業は現在、市場を制覇する機会を伺っている。
・CIACCでは既にブロックチェーン技術を使用したトレサビリティを開発している。
・ブロックチェーン技術はこれからも物流や金融など、様々な領域で使われるだろう。
ブロックチェーン技術は今まさに熱い盛り上がりを見せており、その開発運用も尽きること無く生まれでている。ブロックチェーンは非中央集権化、開放性、自治性、データ保護の確かさ、匿名性等の優位な特性を併せ持っており、既に農産物のトレサビリティ、デジタル版権、銀行間即時決済などの領域で運用されている。
現在、全世界にブロックチェーン関連の企業は300社以上が存在し、そのうち我が国(中国)の企業は未だ10社に満たない。しかし、それらの企業は虎視眈々と市場を制覇することを狙っている。このほか、少なくない投資家も現在”投資目録”を整理しており、投資に見合うブロックチェーン企業を物色している。特に技術的背景を持つ大手企業と実際的にブロックチェーン技術をしようした製品を作り出せる企業は、投資家からの好意も厚い。
CIAACの朱斌(人物名)は2015年からブロックチェーン技術の研究開発に接している。そして、彼は現在、マーケットのニーズを読み取った独自のブロックチェーン技術を使ったトレサビリティシステムを開発した。トレサビリティによる偽造防止はブロックチェーン技術の商用化にとって最も優秀な入口となる。この技術は、直接的により高度な模造品の取締を可能とし、信頼できるマーケットを構築する。
現在、CIAACの鑑定トレラビリティシステムは大きく分けると以下の3つの情報から成っている。
鑑定結果の記録、トレサビリティ2次元コード、文化産品原産地証明だ。
ブロックチェーン技術は、このうちトレサビリティシステムの偽造防止領域に組み込まれ、情報を系列化し追跡可能とし、鑑定の高効率化、デジタル化、透明性向上を大きく促進する。
マーケットを見ると毎年およそ10億個の美術品が取引されているが、そのうち70~75%は偽造品であるとされており、美術品の確かな鑑定は急務である。科学技術はそれを大きく後押しし、偽造防止コードをスキャンすることによりそれを実現できる。そのバックグラウンドには、確かなトレサビリティプラットフォームによるデジタル処理、保存などの十分な技術が必要となる。
ブロックチェーン技術を使用したプラットフォームであれば、全ての美術品に関連するファイルを紐付ける事が可能となり、全ての取引記録(所有権、閲覧記録、物流記録等)、投資価値の変貌、資産譲渡記録等を芸術家、愛好家、投資家の間に聳え立つ壁を取り払ったうえで深くリンクされることが出来る。その情報にはパブリック性が付与され、収集家の大小にかかわらず情報の改ざんを心配する必要はない。もし仮に情報の改ざんがあった場合でも、それは直ぐに訂正されトレサビリティによって関連する人物や物が判明する強固なシステムとなる。
どのようにすれば偽造やニセモノを根絶することが可能なのか?生産者の単純な検証しかなされていない情報はマーケットが求める要求を満たすことが出来ていない。ブロックチェーン技術は、どのような製品、その生産と管理環境であろうとも運用することが出来る。
朱斌曰く、「CIAAC鑑定偽造防止トレサビリティシステムは、同時に、製品の原料、生産、保管、物流、販売の情報を監視することも可能だ。また消費者の製品に対する理解度を向上させ製品ブランドの信用度を強化する。」
彼は例として農家と食品加工企業、販売企業、物流企業等がブロックチェーンで繋がることにより情報と価値をパブリックチェーン化し、栽培時期、場所、農薬使用状況、降水量記録、収穫時期、加工、保管等の各キーポイントを可視化することによって商品の信用度を著しく増加されられると語った。もし商品の安全を脅かす事故が発生した場合も、たった数秒で汚染源を発見することが出来、また同時に、リコールなどが発生した商品も問題の部分的排除を可能とし無駄なコストの浪費を防ぐことが出来る。
ブロックチェーン技術を使ったトレサビリティシステムの運用では、今までの流通等に発生していた問題点を克服させることが出来る。ブロックチェーンに多方面の情報をリンクさせればさせるほどデータの信用性は高まり、データの捏造は不可能になる。またそれは、データの損失や孤立を防ぎ、決算などでの重複帳簿の問題やコストを解決できる。
朱斌はこう評価する。
「分かっているのは、ブロックチェーン技術が業界の根本を変えてしまうということだ。」
将来、ブロックチェーン技術は商品のトレサビリティと流通の領域において運用される。もしかすれば、それはブロックチェーン技術と物流ネットワークを結合しスマートロジスティクスを作り出すかもしれない。また、スマートコントラクトを利用しシェアリングエコノミーと交われば、その先に待っているのは非中央集権化されたスマートシェアリングエコノミー社会だろう。サプライチェーンの流通、マネーフロー、インフォメーションフロー等をデータを通して分析しブロックチェーンとリンクさせれば、川上から川下までをサプライチェーン・ファイナンスに発展させ需要のある金融商品を作り出すことも可能となるだろう。
翻訳:http://www.jinse.com/blockchain/94151.html