目次
■サービスの簡単な説明
■定量説明
■創業者の紹介
■サービスの説明
■今後の展開
サービスの簡単な説明
8btc.com(巴比特)は、中国の杭州时戳信息科技有限公司が運営している仮想通貨・ブロックチェーン情報に特化したメディアプラットフォームです。
現在の彼らは、中国版ビットコイントークとも呼ばれるインターネット掲示板形式のオンラインフォーラムサービスや、仮想通貨ニュース・情報サービス等を中心とし、巨大なメディアプラットフォームを構築しており、そこでは日々様々な仮想通貨とブロックチェーン技術の情報がやり取りされています。
また、彼らは、2018年3月に1億元規模となる資金調達を成功させており、現在までにその企業価値は時価総額1億米ドルを超えるものとされています。
定量説明
- 創業年: 2011年(杭州时戳信息科技有限公司の設立は2014年)
- 運営チーム人数: 杭州时戳信息科技有限公司のメンバーは数十名ほどと予想されますが、ニュース・情報サービスのコラム記者として登録されている記者数は600人以上となっています
- カテゴリー:仮想通貨メディア、フォーラム
- ユーザー数:100万人以上
創業者の紹介
8btc.comは、2011年当時、ジハン・ウー(吴忌寒:Jihan Wu)と长铗(本名:刘志鹏)という2人の共同創業者によって立ち上げられています。
ジハン・ウーという人物は、2017年のビットコインキャッシュ(BCH)誕生の際、日本の仮想通貨メディア等でも度々取り上げられていたため、ご存知の方も多いかもしれません。
ジハン・ウーは現在、マイニング用ASIC販売の世界最大企業であるビットメイン(比特大陆)の創業者兼CEOとして活躍しており、また、マイニングプールBTC.com、ConnectBTC、AntPoolを運営するビットコイン最大のマイナーであるとされています。
一方、长铗は、もともと中国のSF作家として活躍していた人物ですが、2011年に8btc.comの創業に参加して以降は目立ったSF作品を発表していないとされており、現在は、仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトであるBytomの共同創業者としても活動している人物です。
冒頭でも記したとおり、現在の8btc.comは、杭州时戳信息科技有限公司によって運営されています。
そして、その登記情報からは、长铗が法定代表となっているとともに、直接・間接的に株式を50%以上保有する筆頭株主となっていることがわかります。
また、登記情報を眺める限りにおいて、ジハン・ウーは杭州时戳信息科技有限公司の株式を間接的にごくわずかな程度しか保有しておらず、現在の8btc.comは、长铗が中心となって運営されているだろうことが推測できます。
サービスの説明
現在の8btc.comは、大きく分ければ以下のような6つのサービスによって仮想通貨・ブロックチェーン情報を扱うメディアプラットフォームを構築しています。
- インターネット掲示板形式のソーシャルサービス
- ニュース・情報サービス
- ブロックチェーン技術の研修・人材育成サービス
- オフラインでのフォーラムやサロンの運営サービス
- 起業やプロジェクト発足をサポートするインキュベータサービス
- 投資・コンサルティングサービス
まず、この中でも、彼らが展開するインターネット掲示板形式のオンラインフォーラムサービスは、中国国内最大の仮想通貨・ブロックチェーン技術に特化したオンラインフォーラムとなっており、仮想通貨・ブロックチェーン技術を中国語で議論できる貴重な場として機能しています。
おそらく、このオンラインフォーラムに集まった人々を、その他のメディアサービスに誘導することこそが、8btc.comのビジネスモデルであるのかもしれません。
彼らが扱う仮想通貨・ブロックチェーン技術のニュースや情報は、速報情報を扱うフラッシュニュースサービスから、プロジェクトや技術を紹介するメディアサービス、ビデオメディアサービス等まで幅広く展開されており、ユーザーは仮想通貨・ブロックチェーンについて非常に多くの情報を8btc.comから見つけ出すことが可能となっています。
また、彼らのニュース・情報サービスのコラム記者としては、600人以上の記者がこれまでに登録されており、そこでは累計2500万字に及ぶ7800以上のコラムが掲載され、様々な視点から仮想通貨・ブロックチェーンの思想や設計、プロジェクトの細部等に切り込むコラムが生まれています。
現在の彼らは、そういった情報資源を活用し、ブロックチェーン技術に特化した人材の研修サービスを起業等に提供し、ブロックチェーン人材の育成に注力しています。
更に彼らは、仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトのサポートを行うインキュベータサービス等を備えており、そのプラットフォームが、非常に大きな影響力をもつエコシステムを構築しつつあることが伺えます。
今後の展開
8btc.comは、2018年に信链社という競合他社メディアを買収しており、今後も、そのメディアプラットフォームとしての影響力は、ますます大きくなっていくものと考えられます。
また、共同創業者であるジハン・ウーや长铗は、これまでにも8btc.comで多くのコラムを執筆しており、そういった活動は、草の根運動的ながらも、中国のブロックチェーン・仮想通貨界隈を健全に盛り上げてきたと考えられます。
たとえば、长铗は、2014年にブロックチェーンのトリレンマ(区块链不可能三角)と呼ばれる理論を8btc.comのコラムで発表しており、その提言は、中国のみならず海外でも注目を集めるものとなりました。
ブロックチェーンのトリレンマとは、スケーラビリティ(Scalability)、非中央集権(Decentralization)、安全性(Security)の3つを全て実現することは困難なのではないかといった理論であり、それは現在までブロックチェーンを巡る環境で深く議論されています。
このような、仮想通貨・ブロックチェーンを巡る思考を整理し、新しい視点を提供できるコラムの出現は、8btc.comというメディアの質を高めると同時に、仮想通貨・ブロックチェーン界隈のリテラシー向上にも繋がるものと考えられ、今後の彼らの取り組みの中からも、さらに多くの良質な情報が出現することが期待されています。
一方で、彼らのメディアとしての影響力は、現在の中国で非常に大きくなっているため、彼らが仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトのサポートを行うインキュベータサービスを行っていることに対して、8btc.comの公正な報道という視点からは、疑問が生まれてしまうことも事実であると考えられます。
たとえば、彼らがサポートしたプロジェクトが、どのような仕組みを経て、公正に8btc.comというメディアで取り上げられるのかは、今後注目される点かもしれません。
长铗が共同創業者として活動するBytomは、現在でも8btc.com上のキャンペーン活動等でそのトークンが使用されるなどしており、8btc.comとBytomの関係性は非常に近いものとなっています。
今後、Bytomプロジェクトが発展するに従い、もしかすれば、8btc.comというメディアが、Bytomブロックチェーンに連なる一つのサービスとなることもあり得る未来かもしれません。
パブリックチェーンとしてのBytomが持つ非中央集権性によって、8btc.comの運営に透明性が生まれれば、それは、新しい時代のメディアの誕生となるのではないでしょうか。
参照 ・https://bitcointalk.org/index.php?topic=1861561.0 ・https://www.zhihu.com/question/22984899 ・http://8btc.com/8btc ・https://www.8btc.com/article/261394 ・http://8btc.com/dev ・http://8btc.com/thread-217506-1-1.html ・https://www.8btc.com/us/about ・http://8btc.com/ ・http://8btc.com/xueyuan ・https://www.8btc.com/article/152996 ・https://36kr.com/p/5121781.html ・http://pe.pedaily.cn/201706/20170621415741.shtml ・https://www.itjuzi.com/company/39115 ・https://www.admin5.com/article/20160615/669326.shtml ・http://www.fromgeek.com/blockchain/184767.html ・http://www.fromgeek.com/blockchain/184441.html ・https://www.jinse.com/news/bitcoin/39572.html ・http://tech.sina.com.cn/i/2017-09-06/doc-ifykpysa3560338.shtml ・https://www.8btc.com/article/7836 ・https://www.qichacha.com/creport_87abe96f5adbcbd8f372581a3f4425b6 ・https://www.qichacha.com/firm_87abe96f5adbcbd8f372581a3f4425b6.html ・https://www.qichacha.com/firm_a7ceb241a4cf3d00164a60d6c52f9a5c.html ・https://www.qichacha.com/firm_676c4c9f6b07623c9e8633d452910104.html ■中国ユニコーン企業100社以上総まとめ一覧 ■【Chaitech(チャイテック)編集長の想い】チャイナ(China)とテック(Tech)に愛(ai)を込めて ■ご支援パートナー様募集と今後のChaikuruの方向性