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台湾―中国とルーツは同じでも異なる歴史を持つ国をよく知る

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日本と中国の中間に位置する国「台湾」日本とは昔からつながりが深く、今台湾では日本観光が大人気のようです。それで今日はまず、そんな台湾の基礎知識をご紹介します。

日本の植民地だった時代がある台湾

台湾の近代の歴史は大きく分けて、太平洋戦争以前の、①日本植民地時代。大戦後の、②蒋介石率いる中国国民党による支配。の2期に分類されます。
日本は日清戦争後に台湾の統治権を得、以後約50年植民地として台湾を支配しました。最初は台湾人の抵抗は強かったものの、日本は台湾における道路や鉄道、港、上下水道や電気、通信などのインフラを整備し、教育を普及させ、治安維持に努めたため経済的に発展し、こうした理由で植民地ではあったものの、国民の日本に対する感情は今でも比較的良いものです。またこの時代日本語教育も行われたため、高齢世代の人々は、今でも日本語を話すことができます。
しかし太平洋戦争後、毛沢東率いる共産党軍と、蒋介石率いる国民党軍による中国国内内戦に敗れた蒋介石軍が台湾に進駐して中華民国を形成し、実質的支配を開始します。しかし彼らは「いずれ本土に帰る」つもりでいたため日本お違い統治意識が非常に低く、略奪や粗暴な行為が頻発したそうです。その後政府は日本色を排除する政策をとり、北京語を用いた教育になり、独裁政権へとなっていくのです。
日本の植民地でありながら、中国に対する感情が悪く、逆に日本に対する感情が比較的良いのは、こうした歴史的背景に原因があるようです。

台湾島

台湾は比較的温暖で過ごしやすい

台湾は基本的に一年中温暖で、年平均気温は22℃、平均最低気温は12-17℃です。日本のように四季がはっきりしていませんが、それでも3月~5月に梅雨があり、夏には台風も通過します。9月~10月は美しい秋空が広がり、冬でも基本的に雪は降りません。寒暖の差が激しい中国大陸と日本のちょうど中間くらいの気候でとても過ごしやすいところです。
公用語は中国語(北京語)で、中国本土の公用語である普通話と、細かいところに幾らか違いがあるものの基本的には同じです。

台湾の気温

台湾の漢字はちょっと難しい繁体字

台湾で使われる文字は漢字なのですが、繁体字(はんたいじ)と言って、中国大陸で使われる簡体字とは別のものです。日本の漢字で言う旧字体と新字体の違い(學と学、廣と広など)とほぼ同じと考えてよいと思います。
中国大陸では1955年以降、政府による文字改革で漢字の簡略化がすすめられた結果、「簡体字」が普及してきましたが、台湾では以前のままの字体が用いられているため、今も引き続き繁体字(簡体字に対して画数が多いから)が使われているんです。

台湾の漢字

両国の歴史背景をきちんと踏まえたおもてなしが必要

では以上の点を踏まえて、台湾からの観光客をお迎えする際どんな点に気を付けたらいいでしょうか?
一つ目は、台湾人は「中国人」と呼ばれるより「台湾人」と呼ばれることを好む、という点です。歴史的背景ゆえに台湾人としてのプライドを持っている、ということでしょうか。
二つ目は、「一般的に親日的であるとはいえ、やはり歴史背景をよく理解し、配慮を払う必要がある」ということです。現在のプラス感情は、あくまでも国民党に対するマイナスイメージによって得られた部分が大きく、日本に対する感情も様々である、ということでしょうか。おもてなしをするに当たって、やはりまずはきちんとした歴史背景の理解は不可欠でしょう。

おもてなし

近年、台湾からの観光客は増加の一途をたどっているそうです。また彼らの日本に対する評価は高く、リピート率も高いと言います。(http://blogdecarro.com/taiwan/inbound/)実際台湾には多くの日本語教室があり、なぜ日本語を勉強するのか聞いたところ、主な目的は「日本に旅行に行きたいから」という理由なんだそうです。こうした台湾からの観光客を誘致するにあたって、まずは相手国の歴史や文化、背景をよく理解し、それをおもてなしに生かしていくことが必要なのではないでしょうか。

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