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クアルコムベンチャーズ中国区総経理、沈勁曰く:AI領域では、中国がアメリカを参考とすることは少ない

投稿日:2017年11月25日 更新日:

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中国 AI 人工知能 ブロックチェーン

【要約】

・11月15日,クアルコムベンチャーズは中国の9社にベンチャーキャピタル投資を行った

・ベンチャーキャピタル投資はクアルコムベンチャーズが2014年に発表した1.5億USD規模の中国投資ファンドから拠出

・監視カメラによる防犯とインターネットファイナンスの2つの領域において、中国はアメリカを抜いている

 

ブロードコムやアップルに”邪魔”をされても、クアルコムの最先端技術に対する投資プロジェクトは揺るがない。11月15日クアルコムは中国の9社にベンチャーキャピタル投資を行うと発表した。その中には中国AI企業のセンスタイム、中国自転車シェアリングのモバイクが含まれている。

 

クアルコム副総裁兼クアルコムベンチャーズのグローバルヘッドを勤めるQuinn Liはこう話した。
「クアルコムは現在、将来的に5G技術に対応できるよう、通信端末に積まれるチップのAI能力を高めるための動きを加速させている。また、 中国センスタイムのAI研究開発領域に戦略的投資を起こなっているのは、クアルコムとセンスタイムの力が合わされば、スマートフォン等の通信端末を作る製造業者のコストダウンにも繋がり、開発期間縮小をも可能にするからだ。そしてそれは、通信端末製造産業全体のバージョンアップを促すことになる。」

 

センスタイム共同創立者でCEOの徐立博士も以下のように示す。

二社のリソースが統合されていくにつれ、センスタイムオリジナルのAI技術はクアルコムのプラットフォーム(プロセッサ)上でその力を存分に発揮し、より多くの通信端末がAI技術の恩恵を受けることに繋がる。そしてそれはIoTの発展を加速させることになるだろう。

また、中国のモバイクへの投資については、クアルコムベンチャーズ中国区総経理の沈勁は第一財経の取材に対して以下のように認識を示した。

AIとIoTは将来的に先端技術の中でも最もホットな領域になるだろう、と彼は示す。AIとIoTが応用可能なシーンは膨大にあり、そしてまたクアルコムとモバイク及びチャイナモバイル(中国移動)は既に手を繋ぎ数多くの技術テストを行ってきた。また以前からのパートナーシップの中でも、クアルコムのLTE-IoTモデムをモバイクのスマートロックに使用し、ペアリングを通したGPSによるナビゲーション(道案内)機能や、より精確な付近の自転車サーチ機能、スマートロックの解錠速度向上、自転車の状態の監視測定を行うことになっていた。

 

クアルコムが行う中国の9つの企業への投資には、他にも、ワイヤレス機器サプライヤーのCreatComm、通信端末へAIによる問題解決を提案するKneron、無人コンビニを運営する零号元素、イノベーション教育を提案するMicroduino、AIと組み合わされたVR/AR技術コンテンツプロバイダのMagic Me、トータルイマージョン方式による英語学習環境を提供するALO7、 ビックデータによるスマート農業を提案するAgriculture Consultant and Smart Managementがある。

これらのベンチャーキャピタル投資について、クアルコムは2014年に発表した1.5億USD規模の中国戦略投資ファンドから拠出するとしている。

 

AIはより多くの独占的なバーティカルマーケットを生む

 

“モバイルインターネット”から”インターネット教育、インターネット医療”まで、クアルコムは先端技術の風が当たる場所を、より良い投資機会は無いかと常に物色している。
先程の沈勁は記者にこう語った。

パソコンとスマートフォンは 多くの実際的な核心技術のスケーラビリティを行い、小型化、低コスト化に成功した。それは今日のドローンやVR機器にも使用されている。これらの技術が、今後、先端技術に成長する。その代表的なものは、VR/AR、AI、IoT、ロボットとドローンの5つだ。

「数字を見る限り、これからの五年で85億台のスマートフォンがマーケットに飛び出す。今年は実際的にスマートフォンにAIが載った初めての年になった。中国OPPOのR11SはクアルコムのAI技術を採用し、例えば画像処理を行ったり、顔をスキャンして生体認証を行うことが出来る。多くのハイエンドスマートフォンが今年からAIの能力を備えている。AIは君のスマートフォンのメモリー容量の最適化を手伝ってくれるし、 ビジネスを助けることも出来る。当然スマートフォンを通してスマートホームを管理することも出来る。」

ある意味において、インテリジェントデバイスの性能の多くは、積まれたプロセッサの計算能力によって決まってしまう。しかし、今、スマートフォンやカメラ、ロボット、IoT機器等はリアルタイムでのデータ処理が必要不可欠でもある。AIのアルゴリズムは端末側において使用され、将来的には端末自体のインテリジェント化を大きく促すだろう。

センスタイムはこう表現する。

“アルゴリズムとプロセッサ”の協力関係は、端末のインテリジェント化を新しく定義します。そしてセンスタイムは中国最大のAIアルゴリズムのプライヤーです。このロジックから見ると、クアルコムの投資の重点はセンスタイムのアルゴリズム能力及び、将来のこの領域がバーティカルマーケットを作るであろう爆発力です。

また、クアルコムは複数の投資先で各々の関係を取り持ち、より良いパートナーシップを目指すでしょう。例えば9つの会社の内、Agriculture Consultant and Smart Managementは既に中国最大の農場の管理ネットワークを構築し、産業を管理する機構のためにビックデータによるスマート化サービスを提供しています。

しかも、以前にもクアルコムは同じような企業に対して投資していました。
「その会社の創業プロジェクトはAI技術によって世界の十数の農場を運営するというものでした。現在、その会社はすでに5000もの農場のデータを集め、大量のデータに基づき、生鮮食品のeコマース企業やスーパーマーケットなど、多くの買い手を引きつけています。多くの農業リソースがその会社のプラットフォームに集まり、現在そのプラットフォームでは100億を超える量の取引が行われているんです。このようなプラットフォームがあれば、この会社は圧倒的な速さでAI技術を発展させていくでしょう。」

 

沈勁はこう語る。
『農業、防犯、こういったバーティカルマーケットには大きなチャンスが眠っている。』

 

 

中国は盲目的にアメリカのコピーを行ってはならない

2015年から、クアルコムベンチャーズは重点的に先端技術に投資してきた。AI、Iot、VR/AR、ロボット等の領域だ。
今、クアルコムが中国で管理しているファンドの数は40に及ぼうとしている。
どのような尺度をもって投資対象を選んでいるのかという話になったとき、沈勁は記者に対してこう説明した。
クアルコムは比較的クリアに見通すことが出来る会社と領域に対して投資する。
「我々は比較的に一度にまとまった額を投資している。多くのベンチャーキャピタルはそのような投資はしない。一度に多くを投資するからこそ我々の仕事は早い。シリーズAは70%投資したら、あとはシリーズPre-Aに少し、シリーズBとCに少し。それだけだ。それに、クアルコムは産業チェーンの川上から見て比較的クリアに見通すことが出来る会社と領域に対して投資している。」

 

沈勁曰く、多くのベンチャーキャピタルは消費者に近い場所に注目している。例えばゲームやアプリストア等、比較的産業チェーンの川下の部分だ。しかし、クアルコムは逆に、川上から洞察する。だからこそ、その見渡しは比較的クリアなものになっている。

「多くの人は今年がVRの冬だという。誰もVRへは投資したがらない。突然この業界は灼熱の真夏から冷たい風が吹く冬になってしまった。変化は非常に早い。しかし我々は楽観している。この状況は主に技術革新が必要なだけなんだと。これはただの停滞に過ぎない。業界自体がダメだとか、方向性が間違ってるとかでは無い。我々はまだVR企業へ投資する。これは彼ら他のベンチャーキャピタルから見たら、我々が全く別の方向を向いているように映るだろう。」

沈勁は同時に強調する。
投資は株のデイトレードとは違う。それはその業界自体に対しての判断であり、全ての情報を照らし合わした上でのアプローチなんだ。

今、目をかけている企業に対して、五年後、七年後にまだ魅力が残っているか、それはユニコーン企業
に成長するのか、と沈勁は強調する。
「おそらく幾つかの企業は既にユニコーン企業レベルだ。しかし、それが今後、十倍、百倍のユニコーン企業になるのか、それを見極めなくてはならない。」

 

それ以外に、沈勁は中国とアメリカのAIに大きな違いがあると語った。
AIの領域では、中国がアメリカを参考とすることは非常に少ない。まず、AIの基本原理は皆わかっている。そして、中国ではAIが使用されるシーンがアメリカよりも多い。例えばこの2つの領域でのAIの活用について、アメリカは比較的に弱い。一つ目はセキュリティと防犯の領域だ。センスタイムやFace++等の中国企業の主な収入がこれになる。しかしアメリカでは防犯カメラを設置するのが比較的に面倒だ。二つ目はインターネットファイナンス。中国のオフライン金融機構の発展は比較的弱いが、インターネットファイナンは一度その姿を表した途端、”顔をスキャン”するだけ―――それだけで本人確認が完了する。中国で皆がやってるのは、自分の身分証明書を出してるのと同じことなんだ。これらの領域に関わる企業の収入の二番目には、オンライン上の本人確認技術によるものがある。

もし売上において比べるなら、中国はこの二つの領域において既にアメリカを超えている。そして三つ目はスマートフォンのAI活用だろう。アメリカにはアップルがあるが、しかしあれらの多くは外に対して開放されていない。
沈勁は記者に対して言う。

中国という国は、これらのベンチャー企業に対してスマートフォン領域のAI活用を活性化させるため、より良い環境を提供している。IoT方面も同じだ。特筆に値するのは中国深センの多くのテック企業の製品が、主な機能ではオンラインにおいてAIと繋がれているということだ。WIFI、3G、4Gを問わず、それはAI技術と繋がれているのだ。

 

翻訳元:http://ai.ailab.cn/article-86108.html

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