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年間100人の中国人観光客と話して感じた、日本人としてのインバウンド事業の戦い方。

投稿日:2016年3月13日 更新日:

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インバウンドはなんといってもやはり中国人でしょう。
訪日外国人観光客数の国別での1番は中国人ですし、1人あたりの日本での平均消費額の1番も中国人なのです。メディアでの中国人観光客へのネガティブな報道もまだ存在しますし、それも事実ではあるかと思いますが、中国人観光客が日本経済に及ぼしている恩恵と、これからの貢献度を合わせたものの方が、ネガティブな情報を遥かに上回ることは間違いないでしょう。

 

その中国人観光客の方々にどう接し、この領域で日本人としてどう戦って行くべきか、
私の体験も踏まえてまとめてみました。

 

目次
競合は100万人の中国人、中国人マネーが日本人に回らない現状
狙うべきは個人客、手段はインターネット!
年間100人の話を聞いて、実際に観光案内もしてみた
お金どう貰うの?
なぜ日本人を選ぶのか
日本人としての戦い方とは

競合は100万人の中国人、中国人マネーが日本人に回らない現状

 

マーケットが1番大きいのが中国人観光客相手に商売をすれば儲かる。と思いたいところですが、もちろんそんな簡単な話ではありません。

この領域は最も強敵な競合が存在する領域だからです。競合とは、そう在日中国人の存在です。日本には約100万人ほどの在日中国人がいる訳ですが、彼らは既に訪日中国人観光客相手に商売をしているのです。

私が思うに中国人というのは、世界で1番商売上手い人種でして、特に中国以外に住んでいる中国人(いわゆる華僑)の、商売に対しての意識や能力は、日本人の一般的な感覚を大きく超えます。中国人インバウンド事業とは、そんな難敵な商売敵がいる領域な訳です。

 

我々、日本人が思いつくようなビジネスアイデアはとうの昔に、彼らに着手され実現されているということは少なくありません。実際に、観光地のホテルや宿,民泊用の物件は中国人投資家に買収済みであったり、中国人観光客がよく買い物にいくショッピングストアは既に中国資本の会社だったり(ラオックスなど)、中国人の観光案内をしているのは中国の旅行会社であり、観光ガイドさんも中国人であったり、、、、。つまりは、中国人観光客が増えても、そこには難敵の中国人業者の競合がいて、中国人内で人・サービス・お金の循環が完結してしまっているという、日本人事業者にとって悲しい現実がそこにあるのです。

 

狙うべきは個人客、手段はインターネット!


では我々日本人はどう戦えばいいのか、

どうすれば日本人でも中国人観光客を惹き付けて日本に来てもらい、日本人のサービスを受けて満足して帰国してもらえるのか。

 

自ら実践しノウハウを獲得しようと思ったときに、まずターゲットとすべきはFITと言われる個人旅行客にしぼりました。
ビザの緩和、リピーター客の趣向、所得の増加などの理由によって、中国人観光客の個人旅行客の数は年々増えています。近い将来、全体の半分以上は個人旅行客になる、もしくは既に半分くらいは個人旅行客だというデータも存在します。個人旅行客の方が格安旅行主体の団体客よりも消費額が高い、いいお客様でもあります。いずれにせよ、団体客の方は中国人業者にほぼ完全にグリッドされてしまっているので、個人客を狙わざるを得ないいうのが正直なところではあるのですが。

 

この中国人観光客の個人客様はどのような導線で日本に旅行に来て頂いているのか。それは一言で「インターネット」です。数多ある旅行サイト、旅行した中国人観光客が書いたSNSや日本在住の中国人が書いたSNSなどを中心に情報収集して、日本への知識と興味を膨らませてから訪日に至るのです。

 

で、あれば個人客に絞りインターネット集客してみよう。
そのような考えのもと、約1年前の2015年の年明けくらいから自ら実践してみました。


年間100人の話を聞いて、実際に観光案内もしてみた


結論としては、年間100人くらいからインターネットで中国人観光客から相談を受け、実際に20人前後を日本で案内しました。

 

中国語と中国的デザインの日本観光のコンテンツを作成し、とあるサイトに登録したところ、
Wechat(中国版LINE)に驚く程の相談依頼が来ました。

 

中国にいる中国人と日本にいながら連絡のやりとりをし、
実際に多数の中国人を案内した日本人の事例は他には希有なはずです。

 

とあるサイトがどのサイトかは内緒ですが。相談が来たwechatのキャプチャは下記です。下段写真は感謝の言葉。
中国人観光客の対応写真

厳密な数は覚えていないのですが、3日に1人、多い時には1日に数人程の頻度で日本旅行に関する問合せが中国人から来てたので年間100人くらいでしょう。そのうちの20人くらいは私が片言の中国語で日本の様々な観光地を案内しました。

 

実際に私が案内した中国人の方々の属性はかなり多様でして、カップルや家族連れ、ビジネス目的の企業経営の方、美容整形目的の方、身体障害を持たれている方などです。ゲイ(同性愛)の方から、日本でゲイに特化した旅行をしたいとの相談もありましたが(複数回!)、残念ながら私がそっちの道の人間ではないので丁重にお断りしました。

 

案内した場所は、その中国人観光客のニーズに合わせてアレンジしたので様々です。王道である、東京タワー、スカイツリー、築地、銀座、ディズニーランド、秋葉原、表参道、新宿、神宮、ジブリの森美術館などと言ったところから、相撲部屋見学、武術体験、ラブホ街巡り、プリクラ、地元の人だけいく寺院、日本美容体験、病院、AVショップ、一般的な日本人の自宅訪問などと言ったディープなところや、何故か大阪や京都まで案内したこともありました(私は東京在住)。

 

案内した中国人観光客の方々の反応はというと、
百発百中で大満足でした。

 

過去に日本に旅行に来たことある方もいましたが、案外日本旅行が初めての人も少なくなく、「はじめてがおれでいいのだろうか。。。」というプレッシャーがあったり、実際に案内してて下手すぎる通訳に呆れられたり、案内した料理屋が微妙な味で説教されたり等のトラブルは幾多もありましたが、なんだかんだで最後は大満足して帰国していき、日本に行きたい中国人の友人を紹介されたコトも何度もありました。

 

 

お金どう貰うの?

 

気になる金銭のやりとりですが、
「なかった」ということにしておきましょう。
もしくは「あまり覚えていない」ということで…..。

 

ただし、仮にお金をもらうとしたら、こうするだろうという方法を紹介します。



直接現金で貰うという方法が1番に考えられますし、これが1番簡単な方法ではあります。ただし、これはドタキャンの時のリスクや、後になってやっぱり払いたくないとか言われるリスクがあります。また、中国人観光客にとっても、いちいち人民元を日本円に換金してから支払うのは手間と換金コストがかかるので、あまり好まれません。なので、人民元にて電子上で事前決済と残り決済が出来ればベストです。

結論としては、中国最大の電子ウォレットである支付宝(アリペイ)かECショップの淘宝(タオバオ)などのエスクロー決済を利用するのがいいでしょう。

支付宝(アリペイ)は中国版PayPalのようなもので、人民元を電子上で手数料なしで自由にやり取り出来ます。ただし、払う方としては特に事前決済に関しては、まだ始まっでもいないサービスにお金を払う怖さがあるので、その場合は信頼出来る第三者が一時的にお金を管理するエスクロー決済を利用しましょう。ECショップの淘宝(タオバオ)などはエスクロー決済が搭載されている1つです。

 

支付宝(アリペイ)も淘宝(タオバオ)も中国の銀行の口座があれば、その口座と紐づけて日本人でもアカウントを作成出来ます。中国の銀行口座のお金は、日本のATMからお金を引き出せるみたいです。

 

なので、あくまで妄想でありどこまで合法的なのかの法律的なものは知りませんが、理論上は中国人観光客から双方気持ちよくお金の授受をすることは可能だと思います。

 

 

なぜ日本人を選ぶのか

 

私は通訳ガイドもしくは旅行会社として成功したい訳ではなく(一応、某旅行会社と提携関係ではありますが)、この体験を分析してノウハウを多くの日本人事業者に伝えるのが、どちらかというと私の役割のような気がします。

 

どうして、年間100人近くの方から日本旅行の相談を受けて、実際に20人程の中国人観光客が私を案内役をとして指名したのでしょうか。そこに重要なヒントがあるような気がします。

 

まず最も大きい理由が、中国人観光客による中国人業者に対しての不信感でしょう。不信感というと言い過ぎかもですが、そもそも海外旅行というのは非日常体験をすることが価値であるのに、中国人の会社のツアーで中国人ガイドで中国人達と廻るっているのは、安心感はあるかもしれませんが旅行としての高揚感が薄まりますよね。ショッピング先の定員まで中国人である現状の中国人観光客の訪日旅行は、日本人と一言も話さずに帰国するなんてことも割とよくある話みたいです。

 

また中国人事業の中にはグレーな事業をしているところもあって、それに不信感や不安感を持ち始めている中国人観光客が増えているというのも事実です。

 

つまりは旅行者としてごく普通の理由で、日本人に対応して欲しいというニーズが大きくあるのですね。そこに片言の中国語が話せる私がたまたま中国のネット上に露出していたので、問合せが来たということなのでしょう。とはいえ、私のような素人ガイドに依頼が来るっていうことは、需要と供給にズレがあるというですし、これは多くの日本人観光事業者にとってチャンスがあるということではないでしょうか。

 

あと、若干話が逸れますが、
中国人観光客はマナーが悪いという定説がありますが、
少なくとも私が話したり案内した中国人観光客にはそのような人はほぼいませんでした。

 

団体客ではなくて割と裕福な個人客だったというが1番の差だとも思いますし、ネット経由で問合せ来ているので、その中国人のSNSの個人アカウントの履歴を見ればある程度はスクリーニングも出来ます。民泊でのトラブルが多いとも聞きますが、多分これって中国人事業者が間に入って宿泊予約してて、宿泊者には自制が働かない逆インセンティブがあったり(民泊サイトは素行が悪い宿泊者は悪い評価が書かれて、他のとこで民泊しにくくなる仕組みがある)、そもそもが格安団体旅行のホテル代わりに利用されているからなので、民泊オーナー側にある程度スクリーニングリテラシーがあればそれなりに回避出来る問題かなと思います。

 

あと、中国ではairbnb以外にも中国版の民泊サイトがあって、案外airbnbを知らない層も多いので、民泊サイトによって客層がもしかしたら客層が違うのでそこでコントロールするのがいいのでしょうか。

 
 
日本人としての戦い方とは

 

日本人は少なくとも多くの中国人事業者よりも
絶対的な安心感・信頼感を持たれています。
その武器を踏まえた上で、中国人観光客とどう対峙すれば我々は選ばれるのか、満足してもらえうのかを3点にまとめました。

 

①中国人とのパートナーシップ
②特別な体験や商品を作る

③インターネットを使う

 

①中国人とのパートナーシップ


なにげにこれが最も重要なポイントだと考えています。
中国人観光客に対する商品やサービスを我々日本人だけで考えて提供しようとするのは愚策と言っても言い過ぎではありません。

 

我々が思う、日本の価値と彼らが感じる日本の価値に相違があることはもちろんのこと、言語やコミュニケーション方法、考え方の違いが我々の想像以上に違うからです。

 

身近な例だと、それっぽい日本料理よりも案外我々の日常食の牛丼の方が人気で、牛丼屋の民泊やホテルが人気になったりしてる例とかもあります。FacebookやGoogleは使えないので、情報の伝達の仕方はもちろん違いますし、家族観や金銭観などの考え方も日本人と違う部分が少なくありません。

 

顔は似てますが中身は全然違う方々と考えて取り組む必要があるでしょう。その為にはやはり、中国人パートナーの助けが必要だと考えます。在日の100万の難敵がいると先述しましたが、彼らを仲間に取り込むことこそが、このゲームのキーポイントになるでしょう。無論私も多くの優秀な中国人パートナーの力を借りています。

 

言語も文化も一から学んで習得するよりも、信頼出来る中国人パートナーと進めた方がゴールへの到達に近いのは間違いありません、。留学生でもいいですし、時間の空いている中国人主婦の方なども案外います。まずは彼らから力を借りてみるのはいかがでしょうか。

 

 

②特別な体験や商品を作る

我々が想像している以上に、中国人観光客の方々は日本のことをよく知っています。隣国であり在日中国人が100万人住んでいて、毎年多くの中国人観光客が訪れるていますので、日本に関しての情報はインターネットを通して熟知されています。

 

少なくとも日本語でWeb上に乗っている日本の情報は既に中国語化されている、といっても言い過ぎではないでしょう。日本に来てからもスマフォ片手に、リサーチしながら歩いています。中国人は日本のことを最もよく知っている外国人と考えていいでしょう。

 

そのようなお客様に対して、日本のあるがままの姿を見せれば勝手に来客してくれるという考えがもしまだあれば、それは正す必要があります。むしろ、日本人のお得意様にはあたり前にするような、特別な商品や特別な体験を提供していくことが重要になるでしょう。

 

そこの場所に行かなければ購入することが出来ない商品、体験出来ないようなサービスを再度考え直すべきです。まずは、日本に来ている中国人の方にヒアリングしたり、インターネットを通して出来れば中国語にて、日本や自社の商品やサービスの評価を冷静に捉え直すことが必須でしょう。

 

③インターネットを使う

日本への旅行を考えている、まだ中国にいる個人旅行の見込み客に対して、自分たちのことを伝えるには、やはりインターネット以上に有効なツールはないでしょう。

 

とはいえ、ただホームページの内容を中国語にするようなことだけでは、ほぼ何も効果は見られないでしょう。
日本でのインターネットマーケティングでも、ホームページを作成するだけでなく、SEOの為に良質な記事を多く書いていったり、リンクを気にしたり、SEO以外にもSNSでの発信や場合によってはWeb広告も配信する必要があります。

 

 

ご存知の通り、中国ではFacebookやGoogleなどが規制で見られないので、世界で最も独特なインターネット文化を形成しており、その独自のインターネット形態に合わせて、中国人観光客向けのWeb戦略を最適化して行く必要があります。

 

 

中国インターネットの細かい説明や戦略はここでは割愛しますが、
少なくともwechat(中国版LINE)やweibo(中国版Twitter)での定期的な発信や中国人観光客とのコミュニケーションは必須と言えます。

 

 

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